東京電力は2日、福島第1原発1〜2号機の護岸付近にある観測用井戸から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり110万ベクレル検出されたと発表した。水は11月28日に採取した。同25日に記録した最高値(91万ベクレル)を更新した。ストロンチウム90の法定基準は30ベクレル。
井戸は海まで約40メートルで、2011年の原発事故直後に超高濃度の汚染水が漏れたトレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)に近い。
一方、この井戸の近くにある5カ所の井戸水から検出されたベータ線を出す放射性物質の濃度も、それぞれ過去最高を更新した。
東電は「地下水をポンプで吸い上げている影響で、高濃度の汚染水が吸い寄せられている可能性がある」と説明した。