アジア・太平洋株式サマリー:香港、インド株上昇-中国株下落
12月2日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式相場は上昇。先週2年半ぶり高値に達したハンセン指数が一段高となった。中国の製造業活動の指標が予想を上回る伸びを示したことが追い風となったが、中国本土の株式相場が下落したため上昇は限定的だった。
中国の製造業指標を受けて、セメントメーカーの中国山水水泥集団(691 HK)は4.9%上昇。中信証券(6030 HK)は10%高。新規株式公開(IPO)再開に向けた政府の計画で証券会社が恩恵にあずかるとの観測が広がった。中国平安保険 (2318 HK)は4.2%高。UBSは優先株のリターン向上が保険会社のプラスになると指摘した。
ハンセン指数 は前週末比157.26ポイント(0.7%)高の24038.55で終了。構成50銘柄中、値上がりと値下がりの比率は約3対1。ハンセン中国企業株(H株 )指数は0.9%高の11548.07。
キムエン証券(香港)のセールストレーディング担当ディレクター、アンドルー・サリバン氏はIPO再開について、「投資家は新規資金を市場に投じるのではなく、現在の保有株を新たな銘柄に乗り換えるだけだろう」と予想。「多くの企業が香港上場の資格がないか、許可を得られない見通しで、香港市場への影響はない」との見方を示した。
【中国株式市況】
中国株式 相場は下落。小型株から成る創業板(チャイネクスト )指数が過去最大の下げとなった。中国政府の新規株式公開(IPO)を再開する方針を発表し、既上場の株式から資金が引き揚げられるとの懸念が広った。
深圳証券取引所の創業板指数は前週比末8.3%安の1253.93で引け、年初来の上昇率を76%に縮小した。テクノロジー株が売られた。
上海 証取の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数は13.13ポイント(0.6%)安の2207.37。一時は2.2%下げた。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数は0.8%安の2418.79。
中国の11月の製造業活動を示す指数が市場予測を上回ったことも材料視され、ペトロチャイナ(中国石油、601857 CH)は4.6%高。アジア最大の製油会社、中国石油化工(SINOPEC、600028 CH)は4.8%高。
証監会が11月30日発表した声明によると、約50社がIPOの承認準備を完了して来年1月末までに上場あるいはその準備を整える見通し。経済成長が加速している兆しと中国共産党の市場原理をより重視していくとした方針も好感されている。
江海証券の徐聖鈞アナリストは「IPO再開が株価、特に小型株の足かせとなっている」と指摘。「より安値でより妙味のある株が新たに上場されれば、割高な中小株を買おうと考えるのは割に合わない」と述べた。
【インド株式市況】
インド株式 相場は上昇し、指標のS&Pセンセックス指数は3営業日続伸。7-9月の経済成長率が4年ぶり低水準だった4-6月から加速したことが手掛かり。
ICICI銀行 は4週間ぶり高値を付けるなど、銀行株が総じて高い。発電機メーカーのバーラト重電機 は4カ月余りで最も高い水準に達した。インド最大の製薬会社、ランバクシー・ラボラトリーズ は3カ月ぶりの大幅高となった。
ムンバイ市場でセンセックス指数 は前週末比106.08ポイント(0.5%)高の20898.01で引けた。終値ベースで11月5日以来の高値となった。
先月29日発表の7-9月国内総生産(GDP)は前年同期比4.8%増と、伸び率が4-6月の4.4%を上回った。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は4.6%だった。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前週末比40.53ポイント(0.8%)安の5279.52。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前週末比14.09ポイント(0.7%)安の2030.78。
【台湾株式市況】
加権指数は前週末比7.78ポイント(0.1%)高の8414.61。
更新日時: 2013/12/02 21:12 JST