韓国でも成功を目指すアクワイアの『ロード・トゥ・ドラゴン』・・・ユーザー目線のゲーム作りと「GMOアプリクラウド」の現地サーバーで勝負
11月14日から17日まで行われた韓国最大のゲームショウ「G-STAR 2013」では、日本発のゲームも多く見られましたが、その1つがアクワイアの開発する『ロード・トゥ・ドラゴン』です。
『ロード・トゥ・ドラゴン』は、パネルを選んで道づくりとバトルを行うパネルアクションRPGです。スマートフォンならではの快適なタッチ操作を駆使して、個性豊かなユニットによる自分だけのパーティを作り、ドラゴンとのバトルに挑みます。
150万ダウンロードを突破するなど、日本でヒットを続けている本作ですが、韓国でも既に事前登録の受付を開始。アクワイアの山田浩生氏と雲野雅広氏に会場でお話を伺う事が出来ました。
―――最初にお二人の自己紹介をお願いします。
山田:アクワイアで『ロード・トゥ・ドラゴン』の韓国版プロデューサーをしています。
雲野:同じくアクワイアでプロジェクトマネージャーをしています。
―――オンラインゲームが主流だった韓国市場も、最近はアプリの勢いが凄まじいですよね。どの様に捉えていますか。
山田:僕らとしては、ずっとコンソールのゲームを作ってきているので、その視点となりますが、韓国はアプリを含めてオンラインゲームがメインで、コンシューマーゲームは難しい市場ですね。勝負するとすればオンラインの要素が強いゲームです。弊社もノウハウが十分に揃っているとは言えないのですが、スマートフォンという新しい市場でチャンスを狙っています。
雲野:今の韓国は、スマートフォンでもブラウザアプリではなくネイティブアプリの方が盛んだと聞いています。そういう意味では、コンシューマーを作ってきた弊社の強みを活かして、韓国市場が求めるものを提供できると思っています。
―――実際にイベントを取材し、韓国のユーザーは日本のモバイルゲームに対してもアンテナを立てているようでしたが、『ロード・トゥ・ドラゴン』に関して期待の声などはありますか。
雲野:日本版をプレイしているユーザーも多く、「韓国でリリースされたらどっちを遊ぼう?」という話は聞きましたね。
―――ローカライズの面以外で韓国版を遊ぶメリットはありますか。
雲野:韓国のユーザーは、レスポンスの早いゲームを好むとも聞いています。今回の韓国版では、GMOインターネットさんが提供する「GMOアプリクラウド」の韓国サーバーを利用するのでレスポンスが向上していますね。
―――なるほど。海外進出に当たって現地にあるサーバーを利用できるというのは強みになりそうですね。
雲野:その通りです。韓国展開は、他社さんからも話が来ていたのですが、レスポンスに重点を置いた結果、GMOインターネットさんと一緒にやることになりました。実はGMOインターネットさんには日本語版のリリース時からずっとサーバーのサポートをしてもらっています。トラブルも含めて色々ありましたが、とても迅速に対応してもらえました。そうした実績も踏まえてのことです。
―――GMOアプリクラウドを実際に利用されていかがですか。
雲野:こちらが求めている内容をパッケージで提供されているので、これからサーバーを開発し始めるプログラマーがアプリを作るときに、「GMOインターネットさんだと分かり易い」とよく言っています。開発がスピーディーに進むだけではなく、自分たちも中を見ていて勉強になりますね。
―――海外進出の敷居も下がりそうですね。
雲野:その通りです。やはりモバイルゲームの場合は、サーバーが重要になってくるので。
―――韓国と日本で、料金形態の違いなどはありますか。
雲野:特にはないですが、返金処理などは異なるかもしれません。違いと言う意味では話がそれますが、弊社では『ロード・トゥ・ドラゴン』が初のF2Pタイトルなので、日本よりもF2Pが盛んな韓国のユーザーの声を聞いて、それを日本にフィードバックしようと考えています。
―――それらを踏まえて、韓国で成功させるには、どのようなことが大切だと思いますか。
雲野:ゲームのクオリティーが高いことは前提として、本来だとカルチャライズを緻密に行うのですが、それよりも早くリリースして、韓国のユーザーの生の声を聞くことが大切だと思います。そこからユーザーが求めているものを聞き、ユーザーの目線に立ってゲームに反映させていきます。
―――今現在のモバイルゲームのランキングを見ると、大手パブリッシャーかつカカオゲームが上位を占めていますよね。
雲野:カカオさんのユーザーはライトユーザーが多いと受け止めており、弊社のコンシューマーのノウハウを活かした、ネイティブでゲーム性が確りとした長く遊べるゲームで差別化を図っていきます。
―――そういったゲームは、韓国では少ないということでしょうか
雲野:少ないということはないと思いますが、弊社が得意とする世界観やキャラクターの部分では、他社の作品には無いものがあると思います。
――――開発はどれぐらい進んでいますか。
雲野:社内では、韓国サーバーに繋げて動くところまで行っていますね。ただ、ローカライズや運営も全て弊社がやるので、サービスはもう少し先です。
―――そのような状況下で、日本のモバイルゲームの海外進出が今よりも盛んになると思われますか。またその課題も有りましたら教えて下さい。
雲野:どんどん盛んになると思いますよ。課題に関しては、ローカライズして販売で終わりだったコンシューマーとは違い、モバイルゲームだとその後に運営が必要になるので、同じラインで日本の運営と海外の運営を同時に持つのは大変です。ですので、そこの人員をどうするかが課題の1つになると思います。
―――G-STAR に来てみて何か感じましたか。
雲野:G-STARに来ているユーザーは、コアな人が多いのかなと。こちらでゲームが好きな方は、日本語を勉強してまで遊んでくれますよね。なので、それに見合うゲームを出していかないなと感じました。
―――本日はありがとうございました。