【DEVELOPER'S TALK】音ゲー、コーデ、キラキラ感。3DSタイトル『プリティーリズム マイ☆デコレインボーウエディング』にみるミドルウェアで実現した女児向けゲーム開発のこだわりとは?
4月からアニメ第3シーズン『レインボーライブ』の放映がはじまり、漫画やキャラクターグッズ、イベント、アパレル展開などメディアミックスも絶好調。タカラトミーアーツとシンソフィアが共同開発したアーケードゲーム機(以下筐体版)『プリティーリズム』(以下プリズム)です。2010年に全国のショッピングセンター、ゲームセンターなどで稼働がはじまり、女児向けコンテンツとしてロングセラーを記録しています。
この『プリズム』が満を持してニンテンドー3DSに登場し、『プリティーリズム マイ☆デコレインボーウエディング』として発売されました。ただし、最大のポイントとなったのが、通常なら考えられないようなスピードでの開発です。これを成し遂げる上でCRI・ミドルウェアのオーディオミドルウェア「CRI ADX2」(以下、ADX2)がどのように使用されたのか。また女児向けゲーム開発のポイントなどについて、開発チームに話を伺いました。
ニンテンドー3DSの『プリティーリズム マイ☆デコレインボーウエディング』 | 業務用の『プリティーリズム レインボーライブ』 |
■参加者
<シンソフィア>
加藤大典 企画部ディレクター。筐体版・3DS版をはじめ『プリズム』プロジェクトでゲーム開発を統括している。3DS版ではプロデュース・ゲームデザインを担当。
小高義行 設計開発部プログラマで、3DS版のメインプログラマ。サウンド周りのプログラムも担当している。
菅原幸枝 サウンド開発部マネージャー・サウンドデザイナー。オリジナル楽曲やBGM全般、SEなど、筐体版・3DS版の双方でサウンドデータを作成。
<タカラトミーアーツ>
木村奈緒子 パブリッシャー側の窓口として、筐体版や関連商品などでさまざまな企画を推進。3DS版では全体の企画と電子マニュアルや印刷物などを担当した。
■女の子が好きそうな要素を全部盛り込んだ
―――はじめに『プリズム』プロジェクトがスタートした経緯について教えてください。
―――こういったゲームになったきっかけは?
加藤: いろいろ試行錯誤がある中で、だんだん「シルク・ドゥ・ソレイユ」のような華やかな世界観で、キャラクターが動いて何かする、というコンセプトが固まってきました。また爽快感が欲しいという話もありました。そこから「ダンス」「スケート」「ジャンプ」というキーワードが生まれてきたんです。さらに女の子はファッションが大好きだということから、お金を入れると「プリズムストーン」がもらえて、それを組み合わせると衣装がコーディネートできる、というアイディアが生まれました。
―――女の子が好きそうなものが満載ですね。
加藤: けっきょくコンセプトって「女の子が好きそうな要素を全部盛り込む」だったんですよね。それらをあわせて「プリズムショー」と定義しました。アーケードゲームは5分以内に終わらせて、その中で快感を凝縮させることがポイントです。そのためテンポよく遊べて、コーディネートが楽しめて、派手な遊びと爽快感があって、また遊びたいと思わせることが重要でした。
―――過去にアーケードゲーム開発の経験はありましたか?
加藤: 自分は開発者としてもプレーヤーとしても家庭用畑でした。それでタカラトミーさんと仕事をさせてもらうにあたり、かなり研究しました。アーケードの良いところは、店に行けばお客さんがいて、遊んでいる姿を観察できるところですよね。ショッピングセンターに良く行きました。
―――順調に広がっていますね。
加藤: オリジナルタイトルでしたので、当初はお客様も「何これ?」という状況だったと思いますが、だんだん認知度が広がっていきました。中でも2011年から放映が始まったアニメ版が重要な要素でしたね。アニメが始まったことで子どもたちの認知度が上がって、より遊んでもらえるようになりました。その結果、3DS版の発売にまでつなげられたと思います。
おかげさまで今はJS(女子小学生)に高い認知度をいただいています。今年で丸3年を迎えるコンテンツですが、今後も長く続けていきたいですね。
■スピードが重要だった3DS版のプロジェクト
―――企画の成立時から3DS版の予定はあったのですか?
加藤: そこまでは考えていませんでしたが、もともと弊社は家庭用がメインの開発スタジオなので、いよいよ本領発揮だなと。ただ、ホントに垂直立ち上げで、たたみ掛けるように作ったというのが正直なところです。筐体版の素材が流用できるとはいえ、まさに時間との闘いで。手戻りが許されないプロジェクトでした。
小高: そこが今回の一番のアピールポイントですね。
―――開発チームは筐体版と同じメンバーなんですか?
加藤: 実は筐体版でも新バージョンの開発が進んでいたので、ラインを二つに分けたんですよ。グラフィックとサウンドはほぼ同じですが、プログラマは完全に別々でした。
―――3DS版のコンセプトについて教えてください。
加藤: 筐体版の練習になりつつ、一方で遊んだ感覚を変えることが目標でした。筐体版は100円を入れるとプリズムストーンがもらえて、それを組み合わせて遊ぶというのがポイントです。3DS版では異なる楽しみを提供したかったので、服の着替えができるのが筐体版、コーディネートを集めるのが3DS版というように区別しました。ここから、ゲーム内で入手したプリズムストーンを自分流にデコレーションすると、新しいコーデが生まれる仕様が加わりました。
プリズムストーンをデコレーションしていく | カメラを使った遊びも取り入れられた |
―――筐体版と3DS版の最大の違いは立体視の映像ですよね。
加藤: 筐体版の映像で慣れていたので、最初に立体視で画面を見たときは「おおっ!」と驚きましたね。3DS版では筐体版と違い、バックダンサーを登場させられなかったので、プリズムショーが地味になるかなと思ったんですが、そんなことはなくてよかったです。
―――立体視だとかえって遊びにくいからと、中には立体視を切ってしまうユーザーもいますが、本作ではプリズムショーも立体視で迫力が増しているし、UIも見やすく配置されていると感じました。
加藤: よかったです。UIとキャラクターの配置などには、かなり気を配りました。ゲーム、それも音ゲーって、慣れてくるとUIしか見なくなるじゃないですか。でも、それだとつまらないですよね。せっかくキャラクターを着替えさせて、綺麗な格好でダンスさせるのだから、筐体版の頃からプレーヤーの視線が自然にキャラクターに集まるように工夫しています。
小高: 筐体版に比べてキャラクターのグラフィックを劣化させてはいけないと思ったんです。最初からキャラクターを画面に一体しか表示させないと決めて、かなり作り込みました。もっとも自分は3DSでゲームを作るのが初めてだったので、ちょっと大変でしたね。
―――「プリズムショー」にはダンスやフィギュアスケートの要素が入っていますが、モーションなどは監修を受けられたのでしょうか?
ジャンプにもいろんなモチーフのモーションを作って、それぞれ「ハッピーマカロンスピン」「はちみつキッス」といった、すぐに覚えてもらえるような名前をつけました。「なんだこれは!」と「すごい、すてき!」という両者のバランスをとることですね。筐体版で50種類くらい、3DS版ではその半分くらい入れることができました。
―――コーデを変えるとジャンプが変わったり、ステージで相性があったりもしますよね。
加藤: そこらへんのバランスが難しかったですね。かわいいコーデを選ぶと良い感じのジャンプが飛べて、高得点が狙えるというのが基本なんですが、何か特定のコーデが有利になると、それ以外のジャンプを試してもらえなくなります。そのためバランス調整に気を配りました。
―――いろいろなコーデを試してもらうためには、それぞれ「かわいさ」の規準を作ることが必要になります。
加藤: そこは衣装専属のデザイナーがいて、これまで筐体版から数えて1000種類以上の衣服のデザインを行いました。コーデにはそれぞれ「セクシー系」「フェミニン系」「スター系」など7ジャンルが用意されています。子供たちも最初は意識せずに選んでいると思うのですが、遊んでいるうちにだんだん好みが出てくるようですね。遊びながら自然にファッションセンスが磨かれるようなゲームになっていたらいいと思っています。
―――ストーリーモードのシナリオはどのように作られましたか?
加藤: アニメの前シリーズをベースとしつつ、4月から始まった新シリーズ『プリティーリズム・レインボーライブ』の新キャラクターがひと足先に登場する、などの要素も加えました。アニメの脚本家の方にストーリーの依頼をしたり、こだわった部分もあったのですが、なんとか形にしてもらえました。
僕らには遊ばせ方のノウハウはありますが、ストーリー作りはアニメ業界の方が優れているので、そこはしっかりお任せしています。アニメとゲームでストーリーが違っても困るので、アニメの脚本家の方にお願いできてよかったです。
―――他に携帯ゲーム機として意識した点はありますか?
加藤: 子供たちって、けっこうみんな3DSのカメラ機能を使うんですよね。僕らは携帯電話やスマートフォンで写真をとりますが、子供たちは持っていないので、3DSカメラになるんですよ。そのためAR機能や、オリジナルのフォトフレームで写真が撮れる「いっしょにプリフォト」など、カメラの遊びを入れました。
―――3DSを持ってみんなで筐体に集まるみたいな要素もありますね。
加藤: ええ。筐体版ではゲーム終了後に表示されるQRコードをつかえば、「モバイルクラブ」という特設サイトにスコアを登録できて、全国ランキングに参加できます。3DS版でもこのQRコードを読み取って、デコレーションパーツをもらえるようにしました。ちなみにQRコードは漫画雑誌やイベント向けのものも配信しているんですよ。ただ、3DS同士の通信遊びは時間が足りずに断念しました。そこは今後の課題ですね。
■効率的な開発をCRIWAREがサポート
―――小高さんは3DSの開発が初めてとのことでしたが、実際に作られてどうでした?
―――開発体制はどうでしたか?
小高: プログラマが3人、企画が3人、グラフィッカーが筐体版と平行で、最大でも15人くらいでした。ちなみにサウンドは菅原が一人ですべて担当しています。
菅原: 開発当時はいろんなゲームのサウンドを同時並行でやっていて、頭の切り替えが大変でした(笑)。
―――ミドルウェアはよく使われるんですか?
小高: 自分が担当するプロジェクトでは、高い頻度でCRIWAREを使っていますね。筐体版でもオーディオミドルウェアの「CRI ADX」(以下、ADX)を使っていました。3DS版ではADX2を初めて使わせていただきました。
(※1)CRI ADX:「CRI ADX2」の前身製品。現在搭載されているファイル管理部分の機能はなく、オーディオのツール・ランタイムをサポートするミドルウェア。
加藤: 筐体版はタイトーさんのシステム基盤「TypeX2」を採用しています。同社のゲームウェアライブラリがCRIWAREに対応していたので、それで使わせてもらいました。
CRIWAREは昔から使い慣れていますし、サウンドデザイナーにとっては、いってみればシャンプーの後のトリートメントみたいなもので、仕上がりががらっと変わるんです。調整すればするほど、サウンド全体の仕上がりはよくなるので、うちのような規模の小さい会社こそ、どんどん使った方が良いと思うんですよね。
―――「ADX2」で強化されたサウンドオーサリングツールの使用感はどうでしたか?
菅原: 弊社ではサウンドの作業スペースが社外にありますので、サウンドを実装するディレクターを別にたててもらっています。「ADX2」のプロジェクトに私がベーシックなサウンド素材をセットして、その上でディレクターが実作業をする形です。キャラクターのボイスなど、音素材を大量に使うプロジェクトでしたが、かなり臨機応変に使えるツールだったので、気持ちよく使えました。
―――実際遊んでいると、かなり「喋る」ゲームですよね。
菅原: 対象年齢が小さいお子さんですので、操作ガイダンスに音声をふんだんに使っています。「お手本だよ!」「このボタンを押してね!」「ここを見てね!」とか、かなり親切なんですよ。それも一人じゃなくて、いろんなキャラクターに言わせたりしています。途中で「多すぎる」と削られた部分でも、グラフィックで指示を強調してもらう一方で、サウンドでは「キラキラ度」を高めるようにしました。
―――曲もたくさんありますよね。
加藤: アニメのタイアップ曲やオリジナル曲など、全部で19曲入っています。メインメニューやストーリーモードで流れるBGMなどを加えると、あわせて40曲くらいじゃないでしょうか。
菅原: オリジナル曲でも、インストゥルメンタルからはじまって、だんだんゲームを進めていくと、歌バージョンの楽曲が聴けるようになります。そんな風に曲がどんどん解除されていく点も、モチベーションの動機付けになっています。ぜひ最後まで遊んでもらって、歌つきの楽曲を聴いてみてください。女の子の心情をストレートに表現する上で、歌詞はすごく重要なんですよ。女の子のボーカルの破壊力って強力ですよね。
―――楽曲はカートリッジからストリーミングで再生されているんですか?
小高: 最初はそうでしたが、最終的にはリズムアクションをするパートで流れる音楽だけ、オンメモリで展開して再生するようにしました。一曲分だけメモリが空いていたので、急遽変えたんです。ストリームとオンメモリの切り替えも、「ADX2」のツール上で設定するだけで実現できました。実はマスター直前の変更だったので、とても助かりましたね。
―――シーン間の切り替えで楽曲がクロスフェードしますが、ここは「ADX2」のクロスフェード機能を使われたんですか?
加藤: 心残りだったのは筐体版だと全キャラクターがフルボイスでしゃべるのに、3DS版ではROM容量の関係で実現できなかったことですね。筐体版だとADXコーデックの音声ファイルでサウンドデータが2GBくらいあるんです。これが3DS版ではカートリッジ全体で1GBの容量でしたから、まいったなと。
―――3DS版ではどのように収められたのですか?
小高: カートリッジ容量的にはボイスを一部にしたことが大きかったですね。一方でメモリの容量的には余裕でした。コーデックは筐体版からそのままデータを持ってこれるので、BGMもSEもボイスも、すべてADXコーデックを使用しています。
CRI:3DS向けには高圧縮の「HCA」という新しいコーデックもお使いいただけます。
菅原: 今回そこまで検証する時間がなかったので、今後のプロジェクトではぜひ使ってみたいですね。
小高: 筐体がADXコーデックだったので、データの移行のしやすさからそのまま継続したところもありました。
―――筐体版と3DS版で音の作り方は変わりますか?
菅原: 移植タイトルでもあったので、筐体版のプレーヤーに喜んでいただけるように、オリジナル楽曲のリマスターを中心に作業しました。筐体版はアーケードの喧噪の中で遊ぶものなので、かなりギンギンなサウンドにしています。これをそのままコンシューマにもっていくと、かえって聞きにくくなるので、マルチトラックのレベルからリマスターしました。「ADX2」のカテゴリ機能でボリュームの管理をしたので、たいへん役立ちましたね。また3DS版ではストーリーモード向けに新曲を作ったので、より世界観の深いところまで描けたんじゃないかと思います。
―――「ADX2」で他に使われた機能はありますか?
菅原: このゲームは「キラキラ度」が高いので、SEにもベルチャイムのような周波数の高い音を多用します。そういった音はゲームで使いやすいように加工すると、ひずみやすいのです。そこで、なるべく丸い音に加工して転がすなどの工夫をしました。その際に「ADX2」のフィルターを駆使しました。とはいえ、完全に解決できないノイズもあったため、その部分はサウンドデータを載せ替えて対応しました。
CRI:おそらくADXコーデックではなく、HCAコーデックに変換してもらうと、ノイズがより軽減できたのではないかと思います。「ADX2」の設定一つで切り替えられますよ。
菅原: なるほど! 今後はより親密に相談させていただきます。
―――細かい調整も多かったのでは?
小高: ランダム選択は入場時のボイスですね。あれがランダムで変わります。それもサウンド担当のディレクターが設定一つでできて、いつの間にかランダムになっていました。
菅原: 逆にお伺いしたいんですが、ボイスが再生されたらBGMのボリュームを一定レベル下げるなど、細かい演出がありますよね。「ADX2」ではどういう風に実現できるのかなと。
CRI:リアクトという機能を使えばできます。サウンドを「BGM」カテゴリ、「ボイス」カテゴリなどに設定しておいて、「ボイス」カテゴリの再生中には「BGM」カテゴリの音のレベルを下げる、などの設定が「ADX2」のツール上でできます。
菅原: そうだったんですね!あれだけ多くの音を使っていますので、次回はぜひ利用したいです。他にも結構いろいろ使いたい機能がありましたが、同時にいくつものプロジェクトを抱えていたので、なかなか踏み込めませんでした。ぜひ次回はもっと使い込んでみたいと思います。
実際、サウンドはレベル調整が命ですから。ホントにギリギリのところで、カテゴリ分けしたモノをダイナミックに調整するのは楽しい作業でしたね。レベル一つで見え方が変わるんです。なかなかサウンドの人間にしかわからないような感触だったりもするんですけどね(笑)。
―――「ADX2」には開発中のゲームのサウンドがチェックできる、実機プレビューやインゲームプレビュー(※2)という機能がありますが。
菅原:今回はそれは使わず、実機チェックのみでしたね。でも「ADX2」上でリアルタイムにサウンド調整して、実機プレビューができるのは、たいへん便利ですね。
(※2)インゲームプレビュー:開発中のゲームプログラムのサウンドを実際のゲームを動作させながら調整することができる機能。ゲーム中に再生されるサウンドの音量やパン、エフェクトなどのパラメータ設定がADX2のツールから直接操作できる。
CRI:PCと実機をWI-FIや有線LAN環境でつないで使用できます。
加藤: それ、筐体版でも使えたら、調整がすごく楽になりますね!筐体版の開発はPC上で行うのですが、筐体に何度もサウンドデータを転送するのが面倒なので、PC上でのサウンドチェックが中心になるんですよ。でも、実際に重要なのは筐体に組み込んだ時の音ですよね。そんなとき、筐体とノートPCをLANでつないで、「ADX2」側で調整できれば効率的です。
CRI:筐体はおもしろいですね。実際にできるか否か弊社でも確認させていただきます。そうしたアイディアをお寄せいただければ、とても参考になります。他にも御社からの要請で追加した機能もたくさんあるんですよ。
加藤: こちらこそ、助かります。
―――データの圧縮などはどうされたでしょうか?
小高:「ADX2」のデータ管理・読み込み機能面で、「ADX2」独自のパッキングファイルを使用しました。容量面というよりは読込の高速化で使っています。一例を挙げるとゲームシーンに入る前の入場シーンがありますよね。あそこでシーンデータを数MBくらい、まとめてカートリッジから読み込んで、メモリ上に展開しています。
菅原: ほかにもドラッグ&ドロップでサウンドを追加できたり、多くのサウンドを一度に追加できるので使いやすかったです。
小高: CRIさんのサポートはいつも詳細かつ高速で、何度も助けられています。
■照れずに、まじめに女児向けゲームを作るということ
―――これからゲームを作られる上で、何か挑戦したいモチーフや技術はありますか?
加藤: ユーザーとしては音ゲーがすごく好きなんですよ。『プリティーリズム』も音ゲーの要素が入っていますが、そこをしっかり深めたいなあと思っています。アーケードは2つのボタンで遊ぶ。3DSはたくさんのボタンで遊ぶ。それぞれのハードで違いますが、しっかりと楽しい遊びを、音ゲーとして提供できれば良いなあと思います。
小高: 僕も音ゲーが好きなんですよ。今回はじめて音ゲーっぽいタイトルをやらせていただいたのですが、入れ込めなかった要素もまだあるので、また一本音ゲーを作ってみたいです。
菅原: リズムゲームの部分を遊べば遊ぶほど楽しい「するめゲー」に高めていきたいと思っています。リズムを楽しむだけでなくて、リズム感を育成するような部分も入れていきたいなあと。単純にアクション的なものだけではなくて、裏拍を取れるとか、16ビートをきっちり刻む気持ちよさとか。そういった要素も、こっそり入れていきたいです。
―――『プリティーリズム』の今後の展開について教えてください。
―――普通のクロスメディアを越えていますね。
木村: ありがとうございます。今後もそうした連動要素を強めていきたいですね。実は3DS版の商品自体がアニメでも第1話で登場していたりするんですよ。今後も3DS版と筐体版とアニメなどを連動させていきたいですね。
―――最後にユーザーと開発者にひとことずつコメントをお願いできますか?
加藤: まずユーザーさんにですが、新シリーズにあわせてアニメ版はキャラクターとストーリーは一新されましたが、3DS版では前シリーズをベースに、新シリーズのキャラクターも登場しますので、どちらのユーザーさんにも楽しんでいただけると思います。またプリズムショーも筐体版の魅力をそのままに、ぎゅぎゅっと楽しめる感じに仕上げました。
加藤: スケジュール的に大変な中でも一生懸命作りました。あとは、女児向けだからといって、あんまり照れないことですね。女の子たちが喜ぶものって何だろうと、真剣に考えて作ったら、おもしろいものができると思います。そうした思いは今後も強く持って、いろいろ作っていきたいと思います。
小高: ユーザーの方へは、筐体版と比べても遜色ない品質になっていますので、ぜひプレイしてみてください。3DSならではのARやカメラ要素なども良い内容になっていると思います。
開発者向けには・・・実質××月で作りました(笑)。「ADX2」を使うと、こんな短時間で作れちゃうという。 ホントに今回はそれにつきますね。
菅原:ユーザーの方へは、私が一番時間をかけたのが歌モノの楽曲の制作でして、完全オリジナル楽曲ですので、あれが聞けるのは筐体版と3DS版だけ。しかも家で遊べるのは3DS版だけなんですね。ファンには必須アイテムですので、ぜひ遊んでみてもらえればと思います。
開発者の方に対しては、また「お子様向け」を意識せずに、自分たちが考えるおもしろくてかっこよくて、かわいいゲームを楽しんで作りました。遊んでくださる人を尊重して、自分たちが良いと思うモノを信じて作ったら、良い物ができると思いますので、一緒にがんばりましょう。
―――長時間どうもありがとうございました。
CRIでは現在、ニンテンドー3DS向けの「CRI ADX2」特価キャンペーンを実施しています。
実機でのプレビューによるリアルタイムでのサウンド調整に対応し、独自の音声圧縮コーデックとデータ全体の圧縮による3DS専用カードのROM低容量化にも貢献します。
キャンペーン詳細や3DS版の試用については下記ページをご覧ください。
『救声主』の復活!?CRI、3DSタイトル開発向け「ADX2」特価キャンペーンを実施
http://www.cri-mw.co.jp/newsrelease/2013/r73sij0000000qxh.html