若田さん:ソユーズ打ち上げ成功 188日間宇宙滞在へ
毎日新聞 2013年11月07日 11時09分(最終更新 11月07日 16時46分)
【バイコヌール宇宙基地(カザフスタン)斎藤有香】宇宙飛行士の若田光一さん(50)らを乗せたロシアのソユーズ宇宙船が7日午前10時14分(日本時間午後1時14分)、バイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。宇宙船は約9分後、ロケットから分離されて予定の軌道に入り、打ち上げは成功した。若田さんは約6時間後に国際宇宙ステーション(ISS)に到着、188日間滞在し、最後の約2カ月間、日本人初のISS船長を務める。
若田さんの宇宙飛行は、1996年、2000年、日本人初の長期滞在だった09年に次いで4回目。飛行時間は計347日間となり、野口聡一宇宙飛行士(48)の177日間を抜いて日本人の最長記録を更新する。宇宙船にはロシアのミハイル・チューリン(53)、米国のリチャード・マストラキオ(53)の両宇宙飛行士が同乗している。帰還は来年5月14日、カザフスタンの予定。
若田さんは同3月11日に前任者から指揮権を移譲され、39代船長に就任する。船長は、火災や隕石(いんせき)の衝突による急減圧などの緊急事態に対応し、同乗する米露5人の搭乗員の健康に気を配るなど全体の指揮を執る。
その一方でさまざまな科学実験に取り組む予定。高性能の4Kカメラで接近中のアイソン彗星(すいせい)を宇宙から撮影するほか、国産の人型ロボット「キロボ」と会話実験する計画もある。今月9日には、若田さんらが持参した聖火トーチをロシアの宇宙飛行士が持って宇宙遊泳し、来年2月のソチ冬季五輪を盛り上げるイベントも行われる。
打ち上げの3時間前に宇宙基地内で「出発式」が行われ、ロシアの宇宙服を着用した若田さんら3人が屋外へ出てオスタペンコ・ロシア宇宙庁長官にあいさつした。その後、バスに乗り込んで発射場に向かった。若田さんは報道陣に向かって笑顔で手を振り「行ってきます。頑張ってきます」と述べた。
ソユーズ宇宙船は、これまでは打ち上げ後2日間かけてISSに到着していたが、今年3月に新装置を導入。「特急フライト(急速ランデブー方式)」として最速で6時間後にISSにドッキングできるようになった。