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スマホゲームの王者がパズドラと組むワケ

東洋経済オンライン 11月3日(日)6時0分配信

 ――株式を上場する選択肢もあったと思うが。

 長期的な視点で考えることが大切だ。スーパーセルは創業3年の若い会社で、まだ2つしかタイトルを出していない。今は目の前の事業に専念したい。上場となればそれは難しくなってしまうだろう。ソフトバンクと組むことで、より事業に専念できると考えた。

 ――新タイトルの投入など、今後の事業計画は? 

 まずは既存のゲームを強化していくことだ。ゲームは非常に厳しい競争の中にある。クラッシュ・オブ・クランとヘイ・デイがトップを維持するためには、継続的にゲームを改善していかなければならない。また、来年に向けた新しいタイトルの試作・開発を進めている。これもしっかりやっていきたい。さらに、スーパーセルでは優秀な社員を集めているが、社員の開発環境をどれだけ改善していけるか、引き続きベストな環境を作りたいと思っている。

■ ガンホーは兄弟のようなもの

 ――ガンホーにはどのような印象を持っているか。

 日本の市場に興味を持ったのは今年の初めころだ。欧米のゲーム業界ではこんな言葉がある。「ゲーム会社にとって日本は墓場である」と。実際、日本市場でうまくいかず、頓挫してしまうケースは多い。そのため、独自に進出するのではなく、ガンホーとコンタクトをとりながら、さまざまな打ち合わせを重ねていった。その中で、ガンホーと当社には共通の文化があることに気づいた。

 それは、「よりよいものを作る」という考え方だ。その意味で、ガンホーを兄弟のように感じることもある。なぜ、ライバルのガンホーと手を組むのかという疑問もあるだろうが、それは古臭い考え方だろう。両社が手を組むことで、互いを補完し合い、さらなる価値を生むことができる。ガンホーは日本で成功しており、スーパーセルは米国や欧州で強い。互いのノウハウを生かし、さまざまな支援ができると思っている。

 ――具体的にどのような取り組みを行うつもりか。

 ガンホーとコラボする中で、日本での広報や広告のやり方を教えてもらっている。これは続けていきたい。スーパーセルも、ゲームを展開する世界各国でガンホーに支援することができるだろう。今回、グループ入りを決めたいちばんの理由は、長期でスーパーセルの独立性を維持しつつ、事業を展開していけるからだ。ソフトバンクグループとの具体的な取り組みは現段階では特にないが、可能性はあると思っている。

――日本には世界を代表するゲーム企業、任天堂 <7974> がある。任天堂のことをどのように考えているか。 ファミリーコンピュータの「スーパーマリオブラザーズ」と「ゼルダの伝説」は子供のころから大好きなタイトルだ。任天堂が本当にすごいのは、ゲームが世界中の人々に愛され、嫌いな人がいないこと。本当に完璧なゲームとキャラクターを作っている。非常に憧れる存在だ。

 ――どのような会社になりたいか。

 スーパーセルは若い会社だが、クラッシュ・オブ・クランは米国で1位、日本でも3位、中国でも2位を記録し、良いスタートが切れたと思っている。これからも、(孫正義社長が「300年ビジョン」を主張するように)300年の歴史を積み重ねていきたい。

 目標であるグローバルナンバーワンカンパニーになるためには、世界中のユーザーを結ぶことが重要だ。そのために、非常にハマるようなゲームを作っていかなければならない。だが、非常に難しいのは、完璧なものを目指す中でも多くの失敗があることだろう。時間と辛抱が必要だ。ソフトバンクは、そうした長期の観点を持って支援してもらえる、よりよいパートナーだと思っている。

田邉 佳介

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最終更新:11月3日(日)12時10分

東洋経済オンライン

 

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