ご存知でしたか 日本人の9割がヤンキーになる 1億総中流の時代はよかったなぁ

2013年12月02日(月) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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「暴走族の構成員数のピークは'80年前後。その後、関東連合などの過激な『半グレ』と、その他の『ヤンキー』に分かれて、まとまりを失っていきました。最近は4~5人しかいない暴走族も珍しくありません。

かつては暴走族が、若者たちの行き場のないエネルギーを吸収し、ガス抜きの役割を果たしていた面があります。いくらやんちゃしても18歳で卒業し、現場仕事やトラック運転手で身を立て、結婚して所帯をもつというコースがあった。先輩との縦社会の中で、彼らなりに世の中のルールを学ぶこともできました」

警察の取り締まり強化や道交法改正で、暴走族はほぼ壊滅状態になった。しかし、それによってヤンキーが絶滅したかというと、そうではない。一部の若者ではなく、格差の下側にいる大多数の人々が「ヤンキー化」しているのだと、精神科医で評論家の斎藤環氏が指摘する。

「いわゆる『不良』としての経験がない『ゆるい』ヤンキーが増えています。明らかな犯罪や反社会的行為を行うわけではありませんが、ヤンキー的価値観をカッコいいと思い、共感している人々です。

統計的には、非行少年の数はむしろ減っている。ですがその一方で、ヤンキー的な行動や文化が不良という狭い世界から解放され、世間一般にあふれ出しているのです」

かつてのヤンキーとは異なる、「新ヤンキー」と呼ぶべき人種が、いま日本で爆発的に増殖しつつあるのだ。

たとえば、首都圏から少し離れた関東の地方都市。国道沿いにショッピングモールや量販店、ファミリーレストランが建ち並ぶ郊外に彼らはいる。

地元の学校を卒業し、地元の工場や店舗に就職。早ければ、都市部の大学に進んだ同級生が学生生活を送っているのと同じ頃、やはり地元の友人と20歳そこそこで「デキ婚(できちゃった結婚)」し、子どもには「キラキラネーム(当て字や難読漢字を使った読みづらい名前)」をつける。「東京のエリート」が頭を悩ませている晩婚化や高齢出産は、遠い世界の話である。

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