参議院で審議されている特定秘密保護法案をめぐり、県内各地でも一日、抗議集会やデモ行進が繰り広げられた。「国民の知る権利が軽んじられる」「十分な国会審議が必要じゃないか」。衆議院では与党の強行採決で法案が通過したが、“良識の府”と呼ばれる参院に最後の望みをかける人たちは叫ぶ。「あきらめて黙っていてはいけない」
◆岐阜で300人デモ行進
岐阜市では、三百人がJR岐阜駅に近い金公園で反対集会をした後、デモ行進。「強行採決に断固抗議する」という横断幕を掲げ、「徹底審議で廃案に」とかけ声を上げた。
市民団体「憲法九条を守る岐阜県共同センター」などが主催。参加者のうち、岐阜大の近藤真教授(憲法学)は「国民の知る権利に対する重大な侵害。政府への批判を封じることに目的がある。それは民主主義ではなく独裁だ」と強く批判。自由法曹団岐阜支部の笹田参三弁護士は「参院での強行採決を許してはいけない」と呼びかけた。
(小野沢健太)
◆「断固反対」高山でも
高山市では、住民百人が市中心部のポッポ公園で集会を開き「世界に誇る憲法九条を骨抜きにする法案。断固反対」と訴えた。「強行採決 怒」「廃案せよ」と書かれたプラカードを掲げ、市街地を練り歩いた。
有志でつくる「ストップ『秘密保護法案』飛騨地区連絡会」が主催。参加した高山市天満町、主婦中屋裕子さん(36)は「友達同士で法案のことを話していても、反対という意見をどう示していいのか分からなかった。周りの若い人たちも反対の人が多い。声を上げていきたい」と話していた。
(大沢悠)
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