2013年12月1日10時33分
【斎藤靖史】高齢の被爆者が暮らす福祉施設「恵の丘長崎原爆ホーム」(長崎市三ツ山町)で被爆者が長年演じてきた創作劇に、修学旅行の小学生が参加している。高齢の被爆者の演技を助けるとともに、自ら演じることで被爆体験を身近に感じてもらう試みだ。
「私たち被爆者の体験と思いを後世に語り継いでください」。10月12日にホームであった劇。入居する被爆者の本多シズ子さん(80)と、幼い頃の本多さんの役を演じた熊本県合志市の西合志中央小6年、松田香蓮さん(12)が、舞台で一緒に両手を合わせた。
本多さんの体験を題材にした「子供たちに未来を」という劇だ。6人の被爆者が、原爆投下時の惨状の中で演じる。松田さんら6人の小学生は、当時の本多さんや同級生の役を務めた。二つの小学校の修学旅行生約100人が、舞台を見つめた。
本多さんが被爆したのは11歳の頃。「同じ年頃で被爆した人の気持ちを考えてもらえれば」と、2年前から修学旅行生と一緒に演じてきた。児童らは事前に送られた台本で練習し、当日、劇に加わる。これまで10回、児童と一緒に被爆劇を上演した。
この日に備え、松田さんは1カ月間、学校の昼休みに練習を重ねてきた。「二度と戦争があってほしくないと思いました」と話す。
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朝日新聞社会部
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