2013-11-22
■[弁護士業務][介護日誌]11月22日 特養207日目 虎の門病院再々入院19日目(担当医からの電話で、午前9時半に病院へ)
午前8時15分に事務所へ。
境界確定事件の鑑定の申出書を起案していたら、病院の担当医から電話。
「昨晩から不整脈が現れ、生命に関わることなので、説明したい。すぐ来て欲しい」というお話。
すぐ事務所を出て、病院へ。
9時半に到着。
ステーションに担当医の○○先生がおられ、「こちらへ」と言われたが、まず夫の様子を確認してからと考えて、病室へ。
酸素マスクをして、激しい息をしていた、
南病棟のステーションの奥の部屋に案内された。
既に担当医の◎先生がモニターの横に座っておられ、○○医師も同席して、説明開始。
内容は、心臓や肺の状態が良くないので、いつ死んでも不思議でない状態になってしまっている。
心臓が停止した時、人工呼吸や気管切開までしたとしても、良くなる見込みはないので、救命措置は不要ということにされてはどうか。ご本人も意識があれば、それを希望されるのではないかという説明とご意見。
私からは、ナトリウムの急激な増量が原因で、状態が悪くなったのではないかと考えてきたという話をしたところ、「それは全く関係がない」と言われた。
◎◎医師からは、「奥さん、救命措置の結果がどういうことになるのか、弁護士だったら分かるでしょう」などとも言われたが、私からは、「最後まで命を助ける方法を講じてください」とお願い。
病室に戻って、夫に「頑張ってね」と声を掛けてから、看護師さんに「仕事をやり掛けできたので、事務所に戻ります。また12時に参ります。」と断って、事務所に戻った。
5分ほどして、今朝配達を頼んでおいた、依頼者からのメール便をクロネコのお兄さんが届けに来てくれた。
(追記)
午前11時半に事務所を出て、再び病院へ。
病室に入ったところで、「これから☆☆先生(主治医)からの説明がある」とのことで、朝の説明と同じ部屋へ。
☆☆先生から、鼻と口の上に載せるだけで済むという人工呼吸器の装着と首の中心静脈へのカテーテルの挿入という提案。
それで結構と同意。
その際、心臓マッサージは、30分を限度としたいという点についても承諾。
その後、病室で受け取った説明書には、病名が「うっ血性心不全、呼吸不全、敗血症」と記載されていた。
早速上記の処置をするので、30分ほどデイルームで待つようにと言われ、待機。
30分ほどして、「遠藤さん、病室へ」と呼ばれて、中に入ったら、手前の部屋におられた患者さんは他の病室に移されたようで、2人部屋が1人部屋に変わっていて、パジャマのボタンを外された状態で、胸がむき出しの夫のベッドを囲んで、医師3人と看護師多数。
夫のお腹の上には、心臓マッサージの器械。私の右後ろにそのモニター。
☆☆先生から、「首の中心静脈へのカテーテルの挿入は、ご主人の抵抗が激しくて、出来ませんでした。人工呼吸器の装着は済ませました。」と言われたので、私から、「中心静脈の方は無理にされなくても結構です」と申し上げた。
その後、☆☆先生から、「モニターを見てください」と言われ、そちらに目を向けたら、複数の横の直線。
中心静脈へのカテーテルの挿入作業の間に血圧が下がってしまい、ショック状態となり、心停止の状態となってしまったというような説明。
ところが、私がモニターの画面に目を向けた直後、その直線が突然大きな波状に変わり、夫の胸が力強く動き始めた。
☆☆先生から「アラ動き始めた」という驚いたような声。
その後、☆☆先生の「遠藤さん、頑張ってるわね。」という言葉も。
恐らく、夫は、私の姿が見えないところで、突然、首の中心静脈に針を刺されるということを聞かされて、女房のいないところでそんな危険なことを受け入れるわけにはいかないと考えて、必死で抵抗し、ショック状態にまで至ってしまったが、私が病室に入ってきて、中心静脈へのカテーテルの設置はやめにと言ったその声を聴いて、安心したことから、また心臓が動き出したということなのでしょう。
これまでも、夫はいつも、私に相談したり、私が賛成しない限り、後で私が困るようなことになるかもしれないことを、一人で勝手に決めてしまうということは、決してしない人でしたから。
それから、「部屋を片付けるので」と言われて、私は、再びデイルームで待機。
間もなく、看護師さんが見えて、「奥様、今晩は、病室に泊まってください」という話。
事務所に戻ってやってしまいたい仕事はあったが、病院の方々は夫が今晩息を引き取る可能性が大きいと考えているようなので、事務所に戻るわけにいかなくなり、了承。
東京の義妹宅と私の二弟宅にその旨の電話連絡。
「奥様どうぞ」と言われて、病室に入ったら、夫が、人工呼吸器を装着されて、ベッドに寝ていた。
かなりすばらしい器械のよう。
その横にこれもすばらしい諸医療情報のモニター。
間もなく、簡易ベッドが運ばれて、看護師さんが寝床の準備をしてくださった。
今晩の夫の担当は、「佐藤さん」という看護師さん。初めて見るお顔。
この看護師さんが実にすばらしい看護振り。
私は12時頃から4時まで仮眠を取ったが、その間も、痰を吸引する音で目を覚ますこと多数回。一生懸命、そして、適切かつ巧みにすべての処置をこなされた。
そのおかげで、最初不安定な数値ばかりで、絶えず警告音が鳴っていたモニターの表示が、翌朝、佐藤さんのお別れのご挨拶の時には、すべて良い数値に。
最後に、丁寧に髭剃りまでしてくださった。
「遠藤さん、早くお元気になってくださいね。私、この病棟の者ではなく、今晩だけの特別派遣ということで、来た者なのですが、遠藤さんがお元気になられるようお祈りしております」というご挨拶。ご勤務先を伺ったら、この病院の「集中治療室」とのこと。
夫に「佐藤さんのお陰で危機を脱することが出来たのよ。退院できるようになったら、お礼に伺いましょうね」と話した。夫は細く眼を開いていて、分かったというような表情。
私に朝、救命措置不要という回答を迫った先生は、午後10時近くまで、何回も夫の様子を見に来てくださった。そして、遠方のご自宅への終電ぎりぎりに帰宅されたよう。「大丈夫そうですね。来週から、○○薬を使った治療方法にすることにしましょう。」というお話の後、「奥さん、済みませんでした」というお言葉も。