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【競馬・ボート・競輪】

[競輪]金子貴志が優勝

2013年12月2日 紙面から

 師弟コンビがワンツー。「第55回小倉競輪祭」(GI)が1日、北九州市小倉のメディアドームで最終日を迎え決勝戦が行われた。レースは前団のもつれをホームから一気にカマした深谷知を追走した金子貴志(38)=愛知・75期=が鮮やかに差し切って優勝。寛仁親王牌に次ぐことし2度目のGI奪取を飾るとともに、賞金2590万円を獲得した。3着には地元九州の大塚健が入った。これで、ことしのGIシリーズが終了し、掉尾(とうび)の大一番・KEIRINグランプリ13(30日・立川)に参戦する9選手も決定した。

 金子は満面の笑みを浮かべながらファンの祝福に応えた。涙しかなかったGI初制覇からわずか4カ月半。2つ目のビッグタイトル獲得は、再び弟子・深谷とのワンツーでもあった。「寛仁親王牌はタイヤ差だったから、自分が勝ったのか分からなくて何もできなかった。でも、今日はガッツポーズができた。本当にうれしかった」。いつもはもの静かな男。今回に限っては、遠慮することなくこぶしを突き上げた。

 深谷は完璧なレース運びを見せた。藤木が青板で動くなど早めにレースは動いたが、慌てることなく一度後方へ。打鐘で平原が動き出すと、合わせて出たのが新田。そして、両者がもがき合った瞬間こそが、絶好機だった。深谷は最終ホームカマシで一気。金子もピタリと追走して差し切ったところがゴールだった。「平原の仕掛けを待ったうえで、いいタイミングで行った。準決以上のすごいかかりだったから、まくって来る選手はいないと思いましたよ。内を締めてさえおけばよかった」

 これで今年の深谷との決勝ワンツーは親王牌、豊橋記念、青森記念に続く4度目。間違いなく史上最強師弟である。「いずれも深谷に前を任せての優勝」と金子を揶揄(やゆ)する声があっても、気に留める必要はまったくない。競輪界ナンバーワンの爆発力を誇る深谷を追走して差すことがどれほど大変なことか、金子以外の選手が連係したレースを見れば分かるはずだ。

 ウエートトレーニングなどで極限まで鍛え上げられた肉体に、高地練習で高められた心肺機能。年齢による衰えはどこにもなく、ますます強くなっている38歳なのである。「いつも深谷君がチャンスを作ってくれるおかげ。ただ、僕も今年後半は全てのレースで決勝に乗れたように集中して練習ができている」。深谷が現在の地位を築けたのは、これほどまでにストイックな師匠を持ったおかげでもあるはずだ。

 さあ、師弟で臨む初めてGP。この日のワンツーにより、ボーダーにぶら下がっていた浅井を救い上げることもできた。「2人が頑張ってくれたおかげ。感謝している」と、感激の面持ちの浅井が3番手を固めてくれるのであれば、GP制覇への期待はますます高まる。「この後は競輪学校で練習して仕上げます。できることをやって、GPにふさわしいレースをします」。喜びは束の間。金子はさらに自分を磨き上げて大一番に向かう。 (八手亦和人)

 

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