中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 競馬・ボート・競輪 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【競馬・ボート・競輪】

[競馬]ベルシャザールが優勝

2013年12月2日 紙面から

 ダート界に新しいチャンピオンが現れた。「第14回ジャパンカップダート」(GI・1日・阪神・ダート1800メートル)は、スローペースで中団の外をつけた単勝3番人気のベルシャザールが、直線伸びて、一緒に伸びたワンダーアキュートをクビ差押さえてGI初勝利を飾った。これでダート戦3連勝、重賞は連勝となった。タイムは1分50秒4。クリストフ・ルメール騎手(34)は2009年ジャパンカップ以来のJRA・GI勝利、松田国英調教師(63)は10年NHKマイルC以来の同GI勝利となった。1番人気のホッコータルマエは直線早めに抜け出したが、上位2頭にかわされ3着、外国馬のパンツオンファイアは最下位の16着だった。ジャパンカップダートは今回で終了し、来年からは中京が舞台となり「チャンピオンズカップ」(GI・ダート1800メートル)として生まれ変わる。

 GI馬9頭の豪華競演。阪神競馬場で行われた最後の頂上決戦で“新・砂の王者”に輝いたのは、路線変更6戦目のベルシャザールだった。鞍上のルメールは4年ぶりのJRA・GI制覇に、右手で力強くガッツポーズ。「本当にうれしい。長かったし、自分でも4年間頑張ってきた。社台ファーム、調教師に本当に感謝している」と破顔一笑だ。

 自信を持って臨んだ一戦だった。スタート後は後方になったが、焦らずに徐々にポジションを上げた。前を射程圏に入れて直線に向くと、鞍上の右ステッキに鼓舞され、力強い伸びを披露。先に抜け出した内のホッコータルマエをとらえ、ゴール前で外から急襲したワンダーアキュートをクビ差で退けた。「前走もパワフルな脚を見せていたし、信頼して乗った。最後までよく頑張ってくれた」とパートナーをたたえた。

 松田国師もダノンシャンティで制した2010年のNHKマイル以来となるGI制覇。ダービー2勝を誇る名トレーナーが「3年半、どうすればスランプを脱出できるか考えた」と苦悩の日々を振り返る。タニノギムレット、キングカメハメハなど数多くの名馬を育ててきたが、常に故障との戦いだった。

 「レコードやすごいパフォーマンスはいらない。馬を壊さずに走らせて、勝つことだけを考えました」

 これまでレース週の栗東坂路2本追いを1本に変更するなど、調教も工夫。自身が管理し、01年の同レースを制したクロフネを物差しに路線変更も決断した。「今のJRAダートGIは日本ダービー(3着)のように芝できちんと走った馬でないと勝てない。この馬にGIを勝たせたかった」。考えに考え抜いて臨んだ大一番だけに、自信は「相当あった」と胸を張った。

 今後は「フェブラリーS」(GI・来年2月23日・東京・ダート1600メートル)でGI2勝目を狙う。ダートでは【4110】と全く底を見せておらず、夢は国内だけでなく、世界へも広がる。「馬を壊さないように、まずは一つずつやっていきたい」と師。名門ステーブルから生まれた新たなスターが、ダート界に旋風を巻き起こす。 (阪神取材班)

 

この記事を印刷する

PR情報

Ads by Yahoo!リスティング広告



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ