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【ゴルフ】

森田が賞金女王 130万円差で逃げ切り

2013年12月2日 紙面から

初の賞金女王に輝き、フラワーシャワーで祝福される森田理香子(中央)=宮崎CCで(横田信哉撮影)

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◇リコーカップ<最終日>

 ▽1日、宮崎市・宮崎CC(6451ヤード、パー72)▽曇り、気温15・9度、風速1・8メートル▽賞金総額1億円、優勝2500万円▽28選手▽観衆6729人

 デッドヒートの末、女子ゴルフ界に新たなクイーンが誕生! 森田理香子(23)=リコー=が1バーディー、2ボギーの73と苦しみながらも通算4オーバーの12位。70とスコアを伸ばし3オーバー7位に入った横峯さくら(27)=エプソン=を130万3411円の僅差で振り切り、初の賞金女王に輝いた。日本人の賞金女王は4年ぶり。23歳327日での達成は史上4番目の年少記録。最終戦最終ホールの1打までもつれた女王争いを制した森田が、本紙に感激の独占手記を寄せた。66で回った大山志保(36)=大和ハウス工業=が通算9アンダーで2年ぶりの優勝を飾った。

 ついにたどり着いた。森田が賞金女王の座に就いた。僅差だった。最後の最後まで楽にはさせてもらえなかった。

 前週にさくらを再逆転し、約280万円の差で賞金ランクトップに立って迎えた最終戦最終日。スタート時点ではさくらを2打リードしていた。だが、2番でボギーを先行。「手が震えるような緊張はなかったけど、うまくいかなくて。いいショットしてもオーバーだったり…」。13番パー5ではバーディーを奪ったが、15番で2つめのボギーを献上して、結局73。1組前で上がったさくらに1打逆転され、後続選手のスコア次第の賞金女王決定となった。

 「きょうのプレーは女王にふさわしくない。悔しい。でも、先週優勝できて良かったとか、(ロッカールームで)振り返りの時間を過ごしてました」。そして最終組ホールアウトを待って戴冠が決まった。表純子ら姉弟子をはじめ、多くの選手が祝福に駆け寄った。「苦しいこともあったけど、これで全部忘れられると思う」。記者会見では「ことしできたことは来年もできると思うので、また1番目指して頑張ります」と頼もしく語った。

 苦しんだ末の栄冠。転機となったのは、今季36試合の中でたった1度、体調不良でニトリレディス(8月30日〜9月1日)を欠場した時だった。調子を落とし、プレッシャーに押しつぶされ、胃痛に悩まされていた。師匠の岡本綾子が、京都でもんもんとしながら無理して練習していた森田を広島県東広島市の自宅に呼んだ。岡本が3年ほど前に建てたその家に人を泊めるのは、それが初めてだったそうだ。

 たいした会話はなかった。翌朝5時に起き「もんぺと地下足袋、麦わら帽子をかぶせて畑で種芋植えを手伝ってもらった」と岡本。ただそれだけの共同作業だったが、森田には師匠の愛情を感じる心暖かい時間になった。シーズン最後の踏ん張りには、そんなひとときが生きていたはずだ。

 「きょう、ちょうど森田が植えた場所のジャガイモを掘ってたの。偶然って重なるんだね」と岡本が明かした。まさに収穫の日。森田は「すごい選手だなと思われるにはまだ時間がかかるけど、恥ずかしくない選手になるために、日常生活から努力、練習していきます」と誓った。 (月橋文美)

 

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