経済再生相「TPP重要5項目扱い結論出ず」12月1日 18時32分
TPP=環太平洋パートナーシップ協定を巡り、甘利経済再生担当大臣は、東京都内で、アメリカの交渉責任者を務めるフロマン通商代表と会談し、コメや麦などの重要5項目の関税の取り扱いなどについて、日本側の考え方を伝えたものとみられます。
会談のあと、甘利大臣は記者団に対し「厳しい交渉をしたが、結論は出ていない」と述べ、協議を継続する考えを示しました。
会談は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の閣僚会合が今月7日からシンガポールで開かれるのを前に東京都内のホテルで行われ、日本側からは甘利経済再生担当大臣、菅官房長官、林農林水産大臣らが、アメリカ側からはTPPの交渉責任者を務めるフロマン通商代表、ケネディ駐日大使らが出席しました。
この中で、日本側は、アメリカなど参加各国がすべての貿易品目を関税撤廃の対象として交渉に臨むよう求めていることを踏まえ、コメや麦などの重要5項目の関税の取り扱いなどについて考え方を伝えたものとみられます。
会談のあと、甘利大臣は記者団に対し、「極めて厳しい交渉をしたが、結論は出ていない。『安倍総理大臣の判断としてこれ以上は1センチも譲れない』という説明をした。アメリカ側からは厳しい追及もあったが、結局、協議を継続するということだ」と述べました。
また、甘利大臣は、記者団が「重要5項目を関税撤廃の例外とする方針に変更はないか」と質問したのに対し、「国会の決議や自民党の選挙公約を重く受けとめてギリギリの協議をした。それ以上は言えない」と述べました。
一方、フロマン通商代表は「問題を成功裏に解決することが重要だ。両国の配慮すべき品目について議論したが、誠意を持って交渉のテーブルにつけば、違いを解消する道が見つかると確信している」と述べました。
米閣僚会合前に事前調整に乗り出す
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉に参加している12か国は、ことし10月にインドネシアで開いた首脳会合で年内の交渉妥結を目指すことを確認しました。
しかし関税撤廃や知的財産の保護などの分野で各国の意見の隔たりは大きく、交渉は難航しています。
12か国は、今月7日からシンガポールで閣僚会合を開くことにしていますが、年内妥結という目標の行方は、閣僚レベルの政治決断で難航している分野の打開策を調整できるかどうかに左右されます。
妥結を急いでいるアメリカは、交渉を取りしきるフロマン通商代表がみずから、難航している分野を抱える国を訪問する事前の調整に乗り出しました。
フロマン代表が最初に訪れたのが日本で、農産物の重要5項目の関税の扱いなどを中心に、甘利経済再生担当大臣らと詰めの協議を行いました。
フロマン代表は、日本のあと2日はベトナム、3日にはマレーシアを訪問します。
いずれの国も医薬品などの知的財産の保護の強化や国有企業の優遇策の見直しなどを巡ってアメリカと意見が対立しており、歩み寄りに向け突っ込んだ議論が行われるとみられます。
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