戦後まもない時代にマラソンで明るい話題を。福岡国際マラソンの前身「金栗賞朝日マラソン」は、そんな願いを込めて昭和22年に始まりました。
大会名に記された「金栗賞」とは、日本マラソン界の父と呼ばれ金栗四三(故人)氏のこと。日本人五輪選手第1号で、ストックホルム、アントワープ、パリの3大会に出場しました。本大会は、第20回大会(昭和41年)には「国際マラソン選手権」と改称。英語で'Championship'とうたう唯一の世界レベルのレースとして生まれ変わりました。翌年の21回(昭和42年)大会ではオーストラリアのデレク・クレイトン選手が「人類の壁」といわれた2時間10分を初めて切る2時間9分36秒で優勝。もちろん、これは当時の世界記録でした。第35回(昭和56年)にもオーストラリアのロバート・ド・キャステラ選手が2時間8分18秒の世界記録を出すなど、「世界記録」誕生のレースとして世界へ名を轟かせました。
高速化したマラソン界、今年もベルリンで昨年ロンドン五輪の銅メダリスト、ケニアのウィルソン・キプサングが2時間3分23秒の世界新記録を樹立し、いったいどこまで記録を伸ばしていくのか世界が注目しています。
歴史の中で脈々と引き継がれたレースの格式にたがわぬ、ハイレベルなレースが展開される「福岡国際マラソン」。その第1回大会の優勝タイムは2時間45分45秒でした。現在の大会記録が2時間5分18秒。60余年で40分以上記録を縮めていることになります。
過去の優勝者を振り返ってみても、瀬古利彦(32~34、37回大会優勝)、ゲザハン・アベラ(エチオピア/シドニー五輪金メダル)、ジョサイア・チュグワネ(南アフリカ/アトランタ五輪金メダル)、李鵬柱(韓国/アトランタ五輪銀メダル)、ハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア/前男子マラソン世界記録保持者)、サムエル・ワンジル(ケニア/北京五輪金メダル)など、そうそうたる顔ぶれがこの「福岡」を疾走しています。
世界のトップアスリートたちが自らのプライドを賭けてしのぎを削る大会。それが「福岡国際マラソン」です。
また「福岡国際マラソン」のもうひとつの魅力は、厳しいエントリー条件をクリアしたおよそ600人を超える市民ランナーが、世界トップレベルのランナーとともに厳冬の福岡市街を駆け抜けることです。
努力を重ね結果を残した者にしか走ることを許されないハイレベルなレース。
今年の大会は12月1日。冬の風物詩「福岡」を存分にお楽しみください。