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2010年02月09日
「明るい農村」はこう作る ~ 長野県川上村の挑戦
こんにちは、こまつです。
農村活性化の成功事例として、るいネットより、長野県川上村の記事を紹介します。
写真は、「川上村ブログ」さんからお借りしました。
人 口 世帯数1,268 人口4,759(男2,554/女2,205)平成17年国勢調査
標 高 1,185m(川上村役場)
最高地 2,595m(金峰山山頂)
最低地 約1,110m(千曲川村内最下流)
気 温 年平均8.5℃ 最高30,1℃(8月)最低-18.9℃(1月)
「川上村公式ホームページ」より。
長野県川上村は、山梨県、埼玉県、群馬県との県境に位置します。西に八ヶ岳連峰が聳え立ち、東、北、南もそれぞれ2千メートル級の山々に囲まれ、かつては「陸の孤島」「信州のチベット」と呼ばれていたそうです。
その村が、今ではレタスの栽培を中心に平均売上2,500万円、出生率(一人の女性が一生に生む子どもの人数)1.83人(全国平均は1.34)など、全国でもまれに見る豊かな農村に生まれ変わりました。また川上村では、農業従事者のうち、30代、40代が約37パーセントと、全国平均の9.4パーセントを大きく上回っているのも特徴的です。
川上村は、どのようにしてこのような活気のある「明るい農村」に生まれ変わることができたのでしょうか?
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写真は「川上村公式HP」さんよりお借りしました。
川上村の成功のポイントを整理すると、以下の4点になると思われます。
1.村の置かれている外圧状況の把握
2.その中で、どこに可能性があるかをとことん追求する
3.その可能性に村中が収束し、一体となる
4.上記を導くリーダーの存在
まず、最大の要因は、ちゃんと食べていける農業を実現していることにあると思います。それを支えているのがレタス栽培ですが、川上村ではCATVを利用した情報の共有化によって、高い生産性を実現しています。以下「るいネット」より引用します。
■ケーブルテレビで農村の情報化川上村は、食生活の欧風化の波に乗って、レタスの出荷を行っていたが、東京市場では新興産地のレタスに価格面で後れをとりつつあり、何らかの対策が必要だった。
その柱が情報化だった。正確な気象情報があれば、的確な農作業が可能になり、また市況情報により価格が高いときにタイムリーに出荷できる。 川上村は地上波テレビの難視聴地域でもあったので、まずケーブルテレビ(CATV)の導入を図り、これを利用して農家向けに情報を流せないか、と藤原さんは考えた。
これには数億円の予算が必要になるが、藤原さんは農水省に補助金を出して貰えないか、と掛け合った。答えは「ノー」。有線テレビはダメだという姿勢だった。しかし、村営バスを実現した経験から、藤原さんはまたも夜討ち朝駆けをくり返し、その熱意にほだされた役人が「どうにか挑戦させてあげたい」と、とうとう法律改正までして補助金を出してくれた。
昭和62(1987)年、村の全世帯にケーブルが敷かれ、テレビ放送が流されるとともに、翌年から村独自の情報提供を始めた。気象情報としては、村内3カ所に設置した気象観測ロボットからデータを集め、地区ごとに最高最低気温や降水量を提供している。市況情報としては、毎日、過去数日のレタスの出荷量、単価が一目で分かるようにした。農業経営として必須の情報が得られるので、視聴率は100%となっている。
川上村の607戸の農家の高原野菜の平均販売額は25百万円(平成19年)。農業では高収入を得られないという日本の常識を完全に覆している。
「『明るい農村』はこう作る ~ 長野県川上村の挑戦」より
注目すべきは、村中が団結してこのレタス栽培に取り組んでいるという点です。そこには、「高冷地→作物が出来ない」という川上村の特殊な外圧状況があり、であるがゆえに、レタス栽培という可能性に村中が収束していく、という構造が浮かんできます。
宮古島自立への道さんより引用します。
川上村は昭和の半ばごろまで極めて貧しい村であったそうです。 その理由は農業を主産業としながら、もっとも低いところで標高1100メートルという高地にあり、厳しい寒さに阻まれて耕作できるのは夏の僅かな3,4ヶ月という農業に適さない過酷な条件を課せられたからです。しかし、川上村では「この土地に何ができるか?」と農民、農協、役場など村全体で知恵を絞り農業の近代化、機械化情報化を進めレタスを主とする「高原野菜」で成功を収めたのです。
夏場になって平野部でレタス栽培が出来ない頃、川上村のレタスが市場にどっと流れ込む構図です。 夏しか耕作できない厳しい自然環境を逆に利用する発想です。
注目すべきは、農業の情報産業化と村民の一致団結だと思います。パソコンを駆使して24時間の気象情報、市況速報などの情報を取り込み、それらを基に村全体で生産調整を図っているとのことです。
このようにして、川上村はレタスで成功を収めている訳ですが、忘れてはならないのが、藤原村長というリーダーの存在です。
藤原村長は、村の臨時職員から出発して、その働き振りが認められて正規職員になり、その後、村営バスの黒字化、CATVの導入など、様々な取り組みの中で村民の信頼を獲得し、過半数を超える署名と推薦を受けて村長になったのだそうです。
村の仕事が好きで、みんなのためなら苦労を厭わない仕事に対する取り組みは、まさにみんなと同じ生産者の姿勢そのものです。そのようにして、みんなの目線で自ら答えを出し、一見不可能と思われることでも果敢に挑戦し可能性を切り拓いていく姿が、村民の共感と信頼につながり、それが村民の一致団結を生み出しているのですね
【参照】
「明るい農村」はこう作る ~ 長野県川上村の挑戦①
「明るい農村」はこう作る ~ 長野県川上村の挑戦②
「明るい農村」はこう作る ~ 長野県川上村の挑戦③
「明るい農村」はこう作る ~ 長野県川上村の挑戦④
投稿者 komayu : 2010年02月09日 19:00 Tweet
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コメント
私も以前川上村の事を農業新聞の特集で知って、凄い村だなぁと感心しました。
当時全国の市町村が予算を使って企業誘致に躍起になっている時、
藤原村長はその流れに乗らず、農村本来の産業として農業を発展させよう!と
一貫して農業の成長に注力したって話を聞いたとき、
ブレない事の大事さを改めて感じました。
素敵な村ですね!
投稿者 石井 : 2010年02月09日 20:47
石井さん、はじめまして。
コメントありがとうございます^^
村民の心を一つにまとめた藤原村長の統合力は、すごいものがあります。まさに筋が通っていて、ブレがないからこそなのですね。
みんなで一致団結すればなんでもできるんだということも、あらためて教えられました。
石井さんのブログも拝見しました。元気があって楽しいブログですね。今度お邪魔しに行きます。
今後ともよろしくお願いします^^
投稿者 こまつ : 2010年02月11日 21:16
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投稿者 Logitech Revue giveaway : 2012年05月21日 10:46
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