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【グラニュース】


ピクシー「皆さんを忘れない」

2013年12月1日 紙面から

 名古屋グランパスは甲府と0−0で引き分け、ドラガン・ストイコビッチ監督(48)のホーム最終戦を白星で飾ることはできなかった。勝ち点62で首位の横浜Mが新潟に0−2で敗れ、優勝争いは最終節に持ち越された。広島が湘南に1−0で競り勝ち、勝ち点を60に伸ばして逆転優勝に望みをつなぎ、鹿島もC大阪に2−1で勝って数字上の可能性は残した。浦和は鳥栖に1−4で完敗し、優勝の可能性が消えた。12月7日の最終節は横浜Mが川崎と、広島は鹿島と対戦する。

◆名古屋0−0甲府

 胸にあふれる万感の思い。ホーム最終戦で行われる恒例の試合後のセレモニー。2万6000人の惜別の「ピクシー」コールに包まれながら、今季限りで退任するストイコビッチ監督がマイクの前で言葉を紡ぎ出した。

 「ファンの皆さん、本当にありがとう。私は皆さんを忘れない。また会いましょう。サヨウナラ」。締めのセリフはすべてが日本語だった。

 「きょうは日本語で話すのが義務だと思った。私の気持ちを理解してくれたと思う」。感謝の気持ちは通訳を介さずに伝えたい。ピクシーらしい温かい幕引きだった。

 グランパスをワンランク上に引きあげたピクシー体制の6年間。強調し続けた攻めの姿勢は、監督として102戦目にして最後のホームゲームでも貫いた。後半途中からはDF闘莉王を最前線に上げ、サイドに永井、矢野の両FWを配した。

 「前半を見て得点が難しいと感じた。後半は交代選手を入れてよくなった」。自陣に引きこもる甲府相手に、超攻撃的システムで得点を奪いにいった。勝って有終の美を飾ることはできなかったが、打てる手を打った指揮官の表情はスッキリしていた。

 6年間の在任中、ピクシーは練習で自ら模範を示すことも珍しくなかった。昨年2月の別府キャンプ中には練習で痛めた右膝の手術を受けたこともある。“スター監督”の看板には、当人にしかわからない苦労もあった。

 退任後は「家族との時間を大切にしたい」とピクシー監督は言う。セレモニーではスネジャナ夫人と次女のアーニャさんから花束を手渡された。ピッチ上で2人と記念写真に収まり、ピクシーがホッとしたように笑った。 (木村尚公)

 

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