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【特定秘密保護法案】

秘密拡大どこまで 官僚からも不安視

特定秘密保護法案が可決され、抗議の声を上げ衛視に制される傍聴人=26日午後8時11分、国会で

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 国家機密を取り扱う霞が関の官僚からは、法案を評価する声が上がる一方で、「すべて秘密指定になる可能性も」と懸念の声も漏れる。

 米国担当の外務省幹部は「機微に触れる情報をもらうにはこちらにもルールが必要」と強調する。「これまではルールがなかったので、(情報は)松竹梅でいったら竹止まりだった。これからは松レベルの有用な情報を受けられる」と話す。

 一方で、警察庁幹部は「日本で起きるテロ関連で米国が教えないなんてあり得ない。現在でも極秘だが普通に送られてくる。情報収集面ではそれほどメリットはない」と話す。

 秘密を扱う職員が、テロ活動とかかわりがないかや、配偶者の国籍なども調べる適性評価について、別の警察官僚は「他官庁は調査する組織や力はあるのか。警察に回ってきたらパンクする」と不安を漏らす。

 公安調査庁の職員は別の副作用を危惧する。「情報は日々動く。運用ごとに秘密指定をかけられないので、『拉致』とかで全部秘密に指定してしまうことがあるかもしれない」と話す。「法律を作るより、まずスパイの可能性がある外国人らの中央官庁への入館や、国会議員との接触を制限した方が情報漏えい対策には効果的だ」と指摘する。

 一方、情報保全部署にかつて在籍した、ある自衛官は秘密保護は当然としつつも、隊内ですでに行われている個人情報提供の拒否権放棄に「秘密漏えいをやってもいない隊員のプライバシーが害される」と懸念した。 (安藤淳)

 

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