東京電力福島第一原発事故直後から休校中の福島県南相馬市の私立松栄(しょうえい)高校(山森元昭校長)が今年度末で廃校となることが29日、わかった。事故後、県内の廃校は、公立私立の小中高校で初めて。

 松栄高は第一原発から北22キロにあり、新入生募集を昨年度から2年続けて見送っていた。経営する松韻学園(福島市)の佐々木一彦総務部長は「原発事故が収束しておらず、生徒や教員の安全を考えると再開できないと判断した」としている。6月に県から廃校が認められた。

 県などによると、松栄高は1957年に原町工業高校として開校、96年に改称。生徒数は2011年4月時点で94人。うち約40人は事故後、同学園が経営する学法福島高(福島市)に編入し、残りは県内外の学校に転校したという。

 県内では事故後、第一原発に近い地域で、学校ごと避難して他校などの施設で授業を続ける高校が8校あるほか、小中学校10校が休校している。