水源の森林売買を監視、事前届け出制へ 滋賀県が創設
外国資本による水源地の森林買収が全国で相次ぐ中、滋賀県は森林の土地売買を監視する「事前届け出制度」を近畿で初めて創設する。売買差し止めはできないが、売買の状況を把握することで、疑問のある土地取得や無秩序な森林伐採をけん制する。
届け出制は水源地として保全する森林を指定し、所有者が土地を売る際、県への事前届け出を義務づける。売り手、買い手が誰かや面積、目的を把握し、市町と情報を共有する制度を検討している。
県は今後1年かけ、届け出が必要な森林の範囲や、虚偽の届け出を行った場合に罰則が必要かどうかなどを検討する。全国で事前届け出制を設けている北海道や岐阜県、福井県など11道県の事例も参考にする。県琵琶湖森林づくり条例の改正案を来年度中に県議会に提案。早ければ2015年度から制度をスタートさせる。
林野庁によると、外国法人や外国人と思われる者による森林取得は、中国(香港)の法人が北海道で81ヘクタールを取得するなど06年~12年に全国8道県で68件起きている。総面積は801ヘクタールに達しており、利用目的が不明のケースもある。滋賀県では確認された事例はまだない。
森林の売買に関しては、国土利用計画法で1ヘクタール以上など大規模な土地売買を契約した場合について、森林法では面積にかかわらず森林を所有した者について、それぞれ市町村への届け出を義務づけているが、いずれも事後の届け出で事前把握ができない。
【 2013年11月15日 10時20分 】