北陸の経済ニュース 【11月30日01時39分更新】

事故通報の基準厳格化 志賀原発で北電
 北陸電力は、志賀原発で重大事故が発生した際の通報基準を厳格化する。緊急事態に該 当する事故については、国への報告基準を一部見直し、敷地境界の放射線量を毎時500 マイクロシーベルトから5マイクロシーベルトに引き下げるなど事故対応を迅速にする。 志賀原発の「原子力事業者防災業務計画」を修正し、12月2日に原子力規制委員会など に届け出る。

 9月の原子力災害対策特別措置法(原災法)の関係法令改正に基づく計画修正となる。

 北電によると、志賀原発の通報、報告基準には、原子力災害に至る可能性がある場合の 「第10条通報基準」と、原子力緊急事態に該当するより深刻な事故の場合の「第15条 報告基準」がある。

 今回の主な変更では、15条報告基準の放射線量について、毎時500マイクロシーベ ルトから5マイクロシーベルトに修正する。現行では、制御棒によって原子炉が停止でき ない場合は10条通報基準に含まれているが、15条報告基準に引き上げる。

 使用済み燃料貯蔵プールの水位が燃料集合体の頂部から上方2メートルまで低下した場 合についても、新たに15条報告基準に設定する。

 さらに、放射線の影響やその恐れが緊急のものでない異常事象については「警戒事態の 事象」として国に連絡することを明記する。志賀原発では9月から緊急時対策棟の運用を 始めており、防災資機材の一部の設置場所を同対策棟に変更することなどを盛り込む。

 いずれも12月1日から運用を開始する。

 北電は原子力事業者防災業務計画の修正について、石川県、志賀町、富山県と協議して いた。29日、石川県、志賀町と締結する連絡基準の覚書の一部も改定し、「警戒事態の 事象」の発生時に連絡することを明記した。


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