週刊文春は、晴れて青瓦台(韓国大統領府)「御用達」の雑誌になったらしい。
連載コラムで朴槿恵大統領を「おばさん」「バカ」と論評したところ、発売当日(2013年11月28日)の朝には早くもお怒りの声が届いてきた。
「ああいうおばさんってたまにいますよね。キャパシティが小さいので、すぐに暴発してしまう」
「告げ口というより、井戸端会議で隣近所の悪気地を言いふらす『おばさん外交』」
バッサリ斬ってのけたのは、『日本をダメにしたB層の研究』などの著書で知られる作家・哲学者の適菜収さんだ。
適菜さんのコラム「今週のバカ」では毎週、みのもんたさんや山本太郎さん、食品虚偽表示問題を起こした企業など、話題の人物や現象をまな板に載せ、辛口で論評している。ちなみに1か月前には安倍晋三首相が登場、「見識の欠片もないボンボン」と一刀両断に遭ったばかりだ。
それはともかく、今週のコラムで適菜さんは、各国に日本の非を鳴らして回る朴大統領を、「おばさん外交」「子どもと変わらない」と手厳しくたしなめた。そして、こうした言動を続ける朴大統領は「人から愛された経験が少ないのではないか」として、「大人の彼氏」を作るよう皮肉って文章を結んでいる。
朴大統領は、61歳の今まで一貫して独身だ。結婚願望はあったが、「朴正煕の娘」という生い立ちゆえに果たせなかったとのことで、本人は「国と結婚した」と語っている。過去には年上男性との間に「隠し子」報道もあったが、「事実無根」と否定しており、基本的に浮いた話はあまり聞かれない。
適菜さんのコラムはそうしたプロフィールと、その外交姿勢を結びつける形で茶化したものだが、これにいち早く青瓦台がかみついた。発売当日の朝、複数の韓国メディアに、
「卑劣で、一生後悔するべき恥ずかしい内容だ」
という青瓦台関係者の発言が掲載され、「極右雑誌」週刊文春への一斉攻撃が始まった。
週刊文春をめぐっては、14日発売号で安倍首相が発したという「韓国は愚かな国だ」という言葉が報じられ、国際問題になったばかり。文春は翌週号でも発言が事実だと強調、さらに問題の28日号ではコラム以外でも、韓国批判を大々的に展開している。こうした「遺恨」もあり、政界からも、
「言い返す価値もない。日本政府とメディアが理性を保つよう願う」(与党・セヌリ党)
「週刊誌がこうも暴走するのは、軍国主義の復活と無関係ではない。韓国人に対する挑発だ」(野党・民主党)
と与野党そろって抗議の談話が発表された。国会では審議不可能なほどに対立していても、日本がらみとなると途端に歩調を合わせた形だ。
また韓国メディアからの批判は文春以外にもおよび、日本では雑誌がこぞって「嫌韓」記事を掲載、書店でも「韓国社会を露骨に歪曲した三橋貴明氏の著書がベストセラー」(国際新聞)になるなど、日本全体が「反・韓国」化していると主張する。
とはいえ、韓国メディアもこれまで、安倍首相に「妄言製造機」「二枚舌」などさんざん書いてきている。政界でも、朴大統領と安倍首相の政治姿勢が「似ている」と指摘した野党議員が与党から、「国民が選んだ大統領を、安倍首相といっしょにするとは!」と袋叩きになったことさえある。
なお日本のネット上では「クレーマーおばさん」という朴大統領への評に「ぴったり」などと喜ぶ人が少なくないが、韓国のネット上でも「うちの国では書けない正論だ」と納得する人もちらほら見受けられる。また朴大統領に対して日本のネットでは「嫌韓」層を中心に、名前をもじって「クネクネ」などと称する人が増えているが、韓国ネットでは安倍首相を、ファッションブランドの「アバクロ」に引っ掛けてか「安倍クロ(韓国語での発音は『アバクロ』と同じ)」と呼ぶことが流行っているそうだ。
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