歩行者との事故を防ぐため、幅3メートル未満の歩道の走行を原則禁止とするなど、自転車に関する新たなルールが警察庁によって示された。今まで以上に車道通行が徹底されるが、県内の利用者やドライバーからは「車道は怖い」「事故が増えるのでは」と懸念の声が上がる。一方では「ルールを守れば安全。むしろ歩道の方が危ない」との指摘もある。携帯電話使用など違反運転が目立つ状態での車道走行は危険といえ、まずは交通ルールの順守とマナーの向上が求められている。
県警によると、現在、県内にある自転車が走行可能な歩道の総延長は約1700キロ。新ルールが適用されれば、この距離は少なくなり、今まで以上に車道を走る自転車が増えることになる。
新たな方針は、県民にも不安や懸念を抱かせている。買い物で自転車を利用する千葉市中央区の女性(65)は「車道は怖い。買い物の荷物をかごに入れるとふらつきやすいし…。人の少ない歩道は走らせてほしい」と要望する。
接触事故の増加を心配するのは、主に千葉市内で営業するタクシー運転手の男性(65)。「後ろを見ないで突然右折したり、夜間無灯火の自転車が多く危ない。ルールを守ってくれれば良いが」と注文。別のタクシー運転手の男性(65)は「脇に電柱があると車道側に膨らんで来る。もっと自転車専用レーンがあれば安心して走れる」と道路整備の必要性を訴える。