長野県がキノコの放射能検査結果を公表しない理由
厚生労働省は、各地自治体が計測した食品の放射能測定結果をダイジェストにして毎日発表している。
食品放射能基準値を超えた食品は、そのダイジェストの最初に「基準値越え」として表示されている。
例えば、直近の
第773報は以下の通りだった。
平成25年11月22日
http://www.mhlw.go.jp/stf/
※ 基準値超過(6件)
No.725 群馬県産ワカサギ(Cs:120 Bq/kg)
No.2417 山梨県産チャナメツムタケ(Cs:230 Bq/kg)
No.2420 長野県産ハナイグチ(Cs:230 Bq/kg)
No.2421 長野県産チャナメツムタケ(Cs:2900 Bq/kg)
No.2424 長野県産ムラサキシメジ(Cs:120 Bq/kg)
No.2425 長野県産ムキタケ(Cs:350 Bq/kg)
この測定結果の報告の元となる報告を長野県のHPに探してみた。
しかし、以下の理由で「今は公表していない」とのことだ。
「検査の中で、基準値を超えない結果も出ており、
公表することにより安全であるかのように県民の方が誤解し、
野生きのこを採取する恐れがある」
放射性セシウム濃度が、キログラムあたり、2900ベクレルを超えるキノコが野生キノコに存在することを公表し、野生キノコの採取を控えるように警告する事は、大切な事と考える。
この秋、群馬県の みなかみ町(採取禁止区域)で採取されたキノコが、同じく群馬県から日光方面に続く国道沿いの「道の駅」に持ち込まれて販売され、基準値超えのキノコとして検出された。
何故、禁止区域から採取したのか。どのようなルートで、道の駅で販売されたのか。しかも、その道の駅は、「販売している食品の放射能検査を行っています。」とホームページできちんと提示していた。そのようなお客の立場に立った姿勢で食品の放射能汚染に留意して営業している店舗でさえも、こうした事故を引き起こしてしまうのが現状である。
こうした「事故」が起きないようにするためにどうするか。
まずは、基準値超えのキノコが検出されたならば、直ちに公開すること。
県民に基準値超えの汚染キノコが出ていることを知らせること。
それこそが、放射性物質に汚染された食品による内部被ばくから、県民の身を守るために必要な施策ではないだろうか。
また、このところ長野県は、「おもてなし県」を宣言し、知事自ら広告塔となってTVでCMを打っている。高濃度汚染キノコの測定結果を公表する姿勢は、県外から来る観光客に対して、「安心な食品を扱っている姿勢」を見せる絶好のチャンスでは無いだろうか。
「基準値超えのキノコが検出されたならば、直ちに公開する姿勢」こそが、観光に訪れるお客様を心からおもてなしする姿勢の現れであると思う。
関係者に再考を強く願う。
R-DAN 佐久放射能測定室のBLOGより
■ 長野県への質問
http://www3.hp-ez.com/hp/r-dan/page13
2013年10月17日 厚生労働省から発表されている長野県の野生キノコのデータが長野県では公表されていないことについて、長野県にお聞きしました。
以下が長野県では公表されていないデータ(基準値超え3点含む)です。
長野県 南牧村 山林 非流通品 農産物 ハナイグチ 野生 長野県環境保全研究所 > Ge H25.10.4採取 H25.10.10 検査 Cs-134<3.22 Cs-137 15.7q/kg > 合計16Bq/kg
長野県 南牧村 山林 非流通品 農産物 ハナイグチ 野生 長野県環境保全研究所 > GeH25.10.4採取 H25.10.10検査 Cs-134 5.19Bq/kg Cs-137 16.1Bq/kg 合計 > 21Bq/kg
長野県 南牧村 山林 非流通品 農産物 ハナイグチ 野生 長野県環境保全研究所 > GeH25.10.4採取 H25.10.10検査 Cs-134 2.95Bq/kg Cs-137 9.92Bq/kg 合計13Bq/kg
長野県 軽井沢町 山林 非流通品 農産物 ハナイグチ 野生 長野県環境保全研究所 Ge H25.10.8採取 H25.10.11検査 Cs-134 126Bq/kg Cs-137 301Bq/kg 合計 > 430Bq/kg
長野県 御代田町 山林 非流通品 農産物 ショウゲンジ 野生 長野県環境保全研究所 Ge H25.10.8採取 H25.10.11検査 Cs-134 182Bq/kg Cs-137 563Bq/kg 合計 > 750Bq/kg
長野県 佐久市 山林 非流通品 農産物 チャナメツムタケ 野生 長野県環境保全研究所 Ge H25.10.8採取 H25.10.11 検査 Cs-134 517Bq/kg Cs-137 1153Bq/kg 合 > 計1700Bq/kg
(厚生労働省ホームページより抜粋)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11135000-Shokuhinanzenbu-Kanshianzenka/0000026124.pdf■ 長野県からの回答
「長野県林務部信州の木振興課の と申します。
特用林産物に関する放射性物質のモニタリング検査を担当していますので、 様 からのご質問にお答えいたします。県のホームページに掲載したとおり、既に自粛を要請している市町村についても、 追跡調査を実施していますが、その検査結果は、本年度の野生きのこに係る全ての 検査が終了した後に公表することとしています。
このことについては、自粛を要請している市町村における検査の中で、基準値を超えない結果も出ており、公表することにより安全であるかのように県民の方が誤解し、野生きのこを採取する恐れがある等、混乱することも予想されるので、自粛要請している市町村の検査結果については即時に公表することを控えることといたしました。
また、検査終了後の公表日につきましては、野生きのこの発生が確実に終わる12月末に予定しています。
今後も、自粛を要請した市町村については、採取、出荷及び摂取の自粛について、周知の徹底を図り、県民の安全の確保を図って参りますので、これからもご理解とご協力をお願いいたします。
以上、ご質問にお答えいたしましたが、特用林産物に係ることで何かわからないこと がございましたら、以下へお問い合わせください。」*******************************************
長野県林務部 信州の木振興課 経営普及係
担当
〒380-8570
長野市大字南長野字幅下692-2
TEL 026-235-7267(直通)
FAX 026-235-7364
Email ringyo@pref.nagano.lg.jp
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投稿: | 2013年11月27日 (水) 18時42分