体罰・PTSD:港区の私立高剣道部で 学園や元顧問を提訴 /東京

毎日新聞 2013年11月29日 地方版

 港区の私立普連土(ふれんど)学園高校の元生徒の女性(19)が、所属していた剣道部で顧問らから体罰や暴言を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったなどとして、学園や当時の顧問らに約1200万円の賠償を求める訴訟を28日、東京地裁に起こした。女性の父は「娘が泣いている姿を見るのがつらかった。彼女の尊厳を回復したい」と話している。

 訴状などによると、女性は高校入学後、剣道部に入部。日ごろから顧問の女性教諭に厳しく叱責され、水分補給を禁じられた練習などを強いられた。高校2年時の2011年7月にあった夏合宿では一人だけ隔離され、稽古(けいこ)と称したしごきを受けた。防具を着けていない部位を竹刀でたたかれたり、力任せにのどへの「突き」をされたりしたとしている。

 女性は合宿後、頸椎(けいつい)のねんざやリンパ節炎など全治2カ月のけがをした上、自殺を考えるなどPTSDの症状で学校に通えなくなったという。「事実関係の確認を求めたが、学園側は経緯を知りながら隠蔽(いんぺい)した」としている。

 ◇校長認め、陳謝

 普連土学園高校は28日夜、記者会見を開催。浜野能男(たかお)校長は、当時の顧問が女性に体罰をしたと認めた上で「被害を受けた生徒と保護者の方を深く傷付けてしまい、心から申し訳なく思っている。深くおわびいたします」と陳謝した。指導した顧問には11年9月に休職を命じ、翌年3月に自主退職したという。【川名壮志】

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