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学力調査公表―序列化解禁ではない

副作用の強い薬を使うなら、使用上の注意を徹底すべきだ。全国学力調査の学校成績を公表するかどうかは、各校の判断に任されてきた。これを来年度から、市区町村の教育委員会の判断[記事全文]

橋下市長2年―空費できる時間はない

大阪維新の会を率いる橋下徹氏が大阪市長の座を奪ったダブル選から27日で2年たった。折り返し点を前に、朝日新聞の世論調査では支持率が過去最低の49%に下がった。「まだ半分[記事全文]

学力調査公表―序列化解禁ではない

 副作用の強い薬を使うなら、使用上の注意を徹底すべきだ。

 全国学力調査の学校成績を公表するかどうかは、各校の判断に任されてきた。これを来年度から、市区町村の教育委員会の判断で公表できるようにする。文部科学省がそう決めた。

 これは「学校ランキング」の解禁ではない。文科省はそう強調する。自ら決めた以上は自治体任せにせず、運用に目を光らせる責任がある。

 これまでも、フライングをする自治体はあった。たとえば今年、静岡県は上位校の校長名を一覧にして公表した。

 新ルールは、そうしたやり方にお墨付きを与えるものではない。むしろクギを刺す内容だ。

 《学校の序列化や過度な競争を防ぐため、各校の平均点の一覧表や、順位をつけた公表はしない。点数だけでなく、結果の分析と改善策も示すこと》

 公表するときは、学校と事前に相談することも求めている。学校の意向を無視した強引な公表は許されまい。

 文科省の事前アンケートで、ルール改正に賛成が多数を占めたのは都道府県の知事だけだ。市町村の長や教委、学校は反対が圧倒的。保護者も賛否が割れ、反対がやや上回った。

 学校や家庭の心配が根強いのに、なぜ「来年から」と急ぐのか、疑問が残る。各教委は、学校だけでなく保護者の意向も確かめて慎重に判断すべきだ。

 公教育には、どの街のどの学校に通っても力がつくようにする使命がある。親や納税者への説明責任がある。だから情報公開が必要だと文科省はいう。

 ならば、大切なのは情報を格差是正に役立てることだ。自治体は下位校の先生や予算を手厚くするなど改善の手を打ち、次からのテストで効果を確かめて市民に説明してほしい。

 調査結果には日々の生活と学力の関係の分析データも含まれている。図書館に通う、ニュースに関心を持つなど、お金をかけずに学力を伸ばせることを説明すれば保護者の役に立つ。

 成績が伸びた学校の授業実践例など、校名の必要な情報もあろう。だが、校名なしでも出せる情報は多いはずだ。まずそこから公開に取り組むべきだ。

 昭和30年代の全国学力テストでは、成績のいい学校への越境入学が問題になった。今は、学区を越えて小中学校を選べる市区町村が15%もある。学校格差を広げるリスクは高い。

 大学入試では「1点刻みの競争を改める」方向が打ち出されている。まして義務教育はなおさらだろう。

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橋下市長2年―空費できる時間はない

 大阪維新の会を率いる橋下徹氏が大阪市長の座を奪ったダブル選から27日で2年たった。

 折り返し点を前に、朝日新聞の世論調査では支持率が過去最低の49%に下がった。「まだ半分も支持してくれている」と橋下氏は言ったが、勢いの衰えは明らかだ。

 大阪府市を分割・再編する大阪都構想も、反対が賛成を初めて上回った。橋下氏が目標としてきた15年春の実現は困難との見方が強まってきている。

 橋下氏は市長就任当初、「(1期で)賞味期限切れ」と語っていた。予想より早いと評するのは簡単だが、大阪の現況はあまりに厳しく、だからなお多くの人が橋下氏に期待をつないでいる。残る任期を、停滞や混乱で終わらせてはならない。

 08年に大阪府知事になって以降、橋下氏が大阪が抱える諸課題に向き合い、問題のありかを明らかにしてきたのは確かだ。

 ただ、橋下氏が問題に対して出してきた「答え」はあまりに単純で強引に過ぎた。

 多くの問題を二項対立の構図でとらえ、択一を迫るのが橋下流だった。大阪低迷の要因を府市の二重行政とみなし、再編で根こそぎ変えようとする大阪都構想がその典型と言える。

 公務員や教員の世界に風穴を開けるとして、民間公募で多くの幹部職員や校長を採用したが、不祥事続き。府内を一つの水道に統合する構想も、利点を十分示せないまま頓挫した。

 政策がまったく違う石原慎太郎氏らと合流し、維新の国政進出を急いだことも、地元の不信を招いたと言えよう。

 世論調査では6割超の府民が、橋下氏は「大阪の課題に重点を置くべきだ」と望む。日本維新の会共同代表も辞し、大阪での本務に専念してはどうか。

 市内の多くの区で少子高齢化がハイペースで進み、生活保護受給者も全国一多い。そういう最重要課題は橋下改革の下でも、ほぼ積み残されたままだ。

 都構想が実現しても大阪の立て直しに必要な財源が生み出せるわけではない。「15年春の都移行」といった目標ありきの政治手法に走るのではなく、大阪の未来像とそれを実現する工程表をていねいにつくりあげていく必要がある。

 橋下人気の退潮で、市議会では政争激化の兆しがある。だが各党も党利党略で足を引っ張るだけでは市民に見放される。

 大阪の未来を案じた橋下氏の問題提起も踏まえて、課題解決に向けた具体的な方策を、総力で練っていくべきだ。大阪に、時間を空費する余裕はない。

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