横浜Ｍ　きょうＶ決める　俊輔念入りＦＫ

　９年ぶりのＪ１制覇に王手をかけた横浜Ｍは３０日、ホームの日産スタジアムで新潟を迎え撃つ。勝てば優勝が決定するとあって、２８日までに前売りチケットは約５万５０００枚を突破。チーム関係者は６万人超えを期待する。勝利のカギを握るＭＦ中村俊輔（３５）は「厳しい試合になる。セットプレーが大事」と強調。セルティック（スコットランド）時代の２００７年４月、直接ＦＫでリーグＶを決めたとき以来の優勝決定弾を狙っている。

　いつも通り入念にＦＫ、シュート練習を終え、俊輔はピッチを後にした。「スタジアムでお客さんを見たらオーってなると思うし、燃えてくるんだろうね。外が騒いでもピッチの中はチャレンジャーの気持ちでいく」と決意を語った。

　後半戦は絶好調の新潟とは激しい接戦が予想される。その中でやはり横浜Ｍの最大の武器となるのがセットプレーだ。セルティック時代の０７年４月、キルマーノック戦の後半ロスタイムに、俊輔は劇的な直接ＦＫでチームの優勝を決めた。その再現を狙っている。

　「きれいなサッカーより、思い通りにいかない中で、いかに点が取れるか。個々が勝つために何をするのか。そういうところが勝負になる。セットプレーは大事になるね。周りが優勝ムードという現実からは逃げられないから、プレッシャー受けて、いかに力を出せるかだと思う」

　俊輔らベテランの変わらない姿を見て、斎藤ら若手も妙なプレッシャーを感じていない。最後の練習はあっけないほど、「いつも通り」だった。斎藤は「ピッチに立ったら分からないけど、全然変わらない。なんか不思議ですね」と笑みすら見せる。

　実際に６万人を超えれば、０８年３月８日の浦和との開幕戦の６万１２４６人以来となる。大観衆の前で横浜Ｍには９年ぶりの栄冠が待っている。　（荒川敬則）