秘密保護法案:参院委審議 自民と維新「第三者」巡りズレ

毎日新聞 2013年11月28日 21時50分(最終更新 11月29日 00時20分)

特定秘密保護法案の審議経過と今後
特定秘密保護法案の審議経過と今後

 国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案は28日、参院国家安全保障特別委員会で審議入りした。特定秘密の指定などの適否を監査する第三者機関について、修正案提出者の自民党の中谷元・元防衛庁長官は、政府内の「首相の助言機関」にとどめる可能性を示したが、日本維新の会は首相の指揮監督権から独立した機関の必要性を強調。修正合意した両党間の食い違いが露呈した。審議を巡っては、与党側が特別委開催を強行したことに民主党などが反発し、開会が約2時間ずれ込んだ。

 第三者機関は与党と維新の修正協議で付則に盛り込まれた。中谷氏は答弁で「首相の判断に資するために、情報の監察を行える機関を設け、首相に進言したり結果を上げたりする」と説明。ところが修正案の共同提案者の維新の桜内文城氏は「首相の指揮監督と別の観点から、独立した機関が必要」と答弁した。両氏にただした民主党の福山哲郎氏は「それぞれの党でずれているのは問題だ」と批判した。

 また、桜内氏は設置時期を「『施行日までに』と安倍晋三首相も言っており、施行日までに検討を終えて設けると理解している」と説明。しかし、首相は26日の衆院審議で「設置すべきだ」と述べながらも、時期についての明言は避けており、食い違いは広がるばかりだ。

 また、森雅子同法案担当相は政府内の適性評価の対象者数について、森氏は「現行の特別管理秘密を扱う公務員は警察庁、外務省、防衛省など政府全体で約6万4500人」と説明したが、「特定秘密では県警職員や契約業者も対象になるから相当な数になる」とも述べ、対象者が際限なく広がる可能性も明らかになった。【小山由宇、木下訓明】

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