大阪維新の会:政務活動費736万円私的流用 職員を告訴

毎日新聞 2013年11月27日 22時40分(最終更新 11月27日 23時41分)

 大阪市議会の大阪維新の会市議団は27日、市から支給される政務活動費の一部736万円を私的流用していた疑いで、会派が雇用する経理担当の男性職員(31)=同日付で懲戒解雇=を刑事告訴すると発表した。インターネット取引で、政活費を市議団の口座から自分の個人口座に振り込み、「クラブでの飲食費や車の購入費に充てた」と認めているという。市議団は年度末しか口座を確認しておらず、管理を事実上、この職員に任せきりだった。

 会見した市議団によると、この職員は維新市議らの紹介で昨年10月から雇用。市議団の調査では、今年7〜11月に計10回、市議団の口座から自分の口座に振り込んだという。先週、市議への政活費の振り込みが遅れ、口座を確認して発覚した。政活費を管理する維新の口座残金は約1万円だったという。

 議会事務局によると、政活費は議員1人に月額約51万円。維新(32人)は会派でまとめて受け取り、受給額は月額約1641万円。職員は女性職員と2人で口座管理を任せられていたが、実際はこの職員が1人でパスワードなどを管理していた。

 市議団は、管理がずさんだったと認め、団長の坂井良和市議は「市民の皆さんにおわびする。二度と起こさない体制を作りたい」と話した。近く、大阪府警天満署に職員を業務上横領容疑で刑事告訴するという。

 大阪維新の会幹事長の松井一郎・大阪府知事は「市議団の執行部は猛省すべきだ。市議団の報酬から弁償させる」と話した。

 維新の政活費を巡っては今年7月、複数の市議が駐車料金など市要綱で禁止される政党活動用に流用したことが発覚。市議団は当時、市への返金の意思を示したが、この日の会見で、現在も返金されていないことが明らかになった。【山下貴史、村上尊一、茶谷亮】

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