29日午前2時半ごろ、岐阜県中津川市馬籠(まごめ)の農業大脇利治さん(79)方から出火し、木造2階建て住宅延べ約470平方メートルと、南隣の木造平屋建て住宅約60平方メートルが全焼した。現場は旧中山道沿いで、大脇さん方は明治20(1887)年ごろに建てられた古民家。国の登録有形文化財だった。けが人はなかった。

 中津川署によると、大脇さんが妻(76)と2階の寝室で就寝中、室内の火災報知機が作動。確認したところ、1階居間のこたつ付近から火が出ていたという。

 現場は旧中山道馬籠宿から北東へ約2キロの峠で、約400メートルにわたり古民家が並んでいる。大脇さん方は馬や牛が物資を運んだ時代に馬方が泊まった旅籠(はたご)の特徴を伝えるとして、昨年2月に「大丸屋大脇家住宅主屋」として登録有形文化財になった。