通勤などで日々利用している鉄道車両。最新型が登場する一方で、廃車となり解体されるものも多い。そんな引退後の車両を積極的に取り入れている国々がある。東南アジアだ。日本の車両は海外でどんな「第二の人生」を送っているのだろうか。
■埼京線、新潟から船でジャカルタに到着
11月初旬、インドネシア・ジャカルタの港に日本の鉄道車両が30両、到着した。シルバーの車体に緑色のラインが目を引く。東日本旅客鉄道(JR東日本)の埼京線などで活躍した205系電車だ。
クレーンで船から降ろされ、トレーラーで搬出。輸送の様子は現地の新聞で大きく報道された。車両基地で塗装や改造を行い、来年早々にも営業運転を開始する予定だ。
JR東日本は11月6日、インドネシアの鉄道会社、「ジャカルタ首都圏鉄道会社(PT KAIコミューター・ジャボデタベック、略称KCJ社)」に205系電車を180両、譲渡すると発表した。KCJ社はジャカルタ近郊の鉄道を運行している。
譲渡といってもタダではない。金額は非公表だが有償だ。埼玉県にある車庫から新潟まで走らせ、港から船で搬出する。既に9月から引き渡しが始まり、11月には第1陣、第2陣が現地に到着した。来年3月には180両の引き渡しが完了する見込みだ。
■技術者も派遣、インフラ輸出の布石
海を渡るのは車両だけではない。今回、JR東では技術者も派遣した。運んだ車両を連結し、走れる状態に戻す作業を支援する。実際の作業はKCJ社側のスタッフが手掛けるが、JR東の技術者が支援することになっている。
既に5人ほどが第1陣として派遣された。今後、数回にわたって送り出し、車両整備や定期点検などの技術支援も行う予定だ。
車両や技術者の派遣はいずれも有償ではあるが、「ビジネスといえるほどの金額ではない」(海外鉄道事業推進グループ)という。なぜそこまで手厚く支援するのか。担当者はこう語る。
「インドネシアの鉄道事業発展に協力することが第一の目的。使わなくなった車両を解体するのではなく再利用することで、環境負荷を減らす意味もある」
同社は埼京線車両の譲渡と同時に、タイで車両や地上設備についてトータルでメンテナンスを行う事業を受注したとも発表した。東芝・丸紅との共同事業だ。海外展開の第一歩と位置付けている。インドネシアへの技術者派遣は、こうした動きと無縁ではない。
「技術者を現地に派遣することで、それまで知らなかったノウハウを吸収できるかもしれない。将来の布石となることも期待している」
今は中古車両の譲渡だが、いずれは鉄道システム全般の輸出へとつながる可能性がある。技術支援には、そんな狙いも見え隠れしている。
JR東日本、東京メトロ、三陸鉄道、東急
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