猪瀬知事:「深くおわび」都議会で謝罪 5000万円借用
毎日新聞 2013年11月29日 13時37分(最終更新 11月29日 14時32分)
東京都議会の定例会が29日開会し、猪瀬直樹知事は本会議の所信表明で、知事選前の昨年11月に徳洲会グループから資金提供を受けた5000万円について「個人的な借用」と改めて説明したうえで「無利子・無担保での借り入れなど、批判をいただき反省している。痛恨の極みで、深くおわび申し上げる。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
猪瀬知事は伊豆大島の土砂災害被災者らへのお見舞いなどを述べた後、資金提供問題に言及。「先の生活への不安があり、個人として借り入れた。手を付けずに全額返却した」と説明した。
5000万円の提供は22日に発覚し、猪瀬知事はこれまでに2回の記者会見などで経緯を説明してきた。26日には借りた当日に作成したとする「借用証」を公開したが、提供の趣旨や金額が決まる経緯、徳洲会側に強制捜査が入った後の今年9月まで返却されなかった理由などには、不自然であいまいな点もある。所信表明でも、これまでより踏み込んだ説明はなかった。
本会議場の傍聴席には開会前から都民ら約80人が集まった。台東区の野末政男さん(70)は「5000万円を現金でやりとりしたというのは納得いかない」。都議会棟周辺では右翼団体の街宣車が知事辞任を訴えた。【和田浩幸、川口裕之】