◆出発日:2013年12月8日(日) ◆出発地:東京(羽田空港) ◆最少催行人員:1名 ◆食事:朝食付き ◆添乗員:同行いたします
まだ日本列島が大陸と陸続きで氷河期の真っただ中だった約2万年前、ひょんなことからこの5q足らずの天体は動き始めました。それはこの氷と石のかけらやチリで出来たごく普通の天体に、ちょっと離れた位置にあったほかの物体がぶつかったことからか、または大きな物体が傍を通過したために動きが変化したからか、旅が始まったのかもしれません。
この天体ははるか彼方、太陽と地球の距離の数万倍の太陽系を大きく囲む雲のような領域から、太陽と呼ばれる銀河系のごく平凡な8つの惑星を持つ恒星を目指して旅を始めました。
テンペル第一彗星核
オールトの雲(想像図)
アイソン彗星の動き | ||
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年代 | 事象 | 地球と太陽の距離 (約1億5千万km) に対して |
1600年 | 関ヶ原の戦い | 315倍 |
1903年 | ライト兄弟が初飛行に成功 | 130倍 |
1939年 | 地球上では何となく不穏な情勢の時 | 100倍 |
1964年10月10日 | 東京オリンピック | 75倍 |
1986年2月 | ハレー彗星到来 | 52倍 |
2001年11月19日 | しし座流星群、ほぼ海王星の軌道に到達 | 30倍 |
2011年9月12日 | 土星軌道に到達 | 9.5倍 |
2013年10月1日 | 火星に最接近 | 1.5倍 |
2013年11月29日 | 太陽に最接近 (太陽の中心より約187万km) |
0.0125倍 ほぼ接触 に近い? |
これがまさしくアイソン彗星。はるばる太陽系の外縁とも星間空間とも言える領域(オールトの雲)からやってきました。
太陽系の様々な変化を目の当たりにしながら、そして太陽に向かってだんだん加速しながら、太陽系第三惑星の高等生物に観測されることを夢見ながら、でももしかしたらこの惑星の文明の発生とその危うさに気を揉みながら、長い旅路をじっと我慢し、他の天体との衝突をかわし、でも時にはごく小さな物体と衝突しながら、最近になってようやく太陽の暖かさを感じ、大きなガス惑星(海王星、天王星、土星、木星)を見ながら、そしてかつて仲間の彗星たちが、水や生命の起源をもたらしたかもしれない青い惑星の住人に会いに来ました。(彗星には大量の水分とわずかの有機物が含まれています)。
そして2013年11月29日に太陽に最も接近するアイソン彗星は、太陽表面から117万qというまさに太陽表面をかすめる(接触に近い)ように通過して行きます。117万qとは地球と月の距離の約3倍。これは宇宙のスケールでいうとほとんど接触したに等しいと言えるかもしれません。すぐ脇を通り過ぎるという感覚です。
だからこそアイソン彗星は太陽の熱をふんだんに吸収し激しく反応して、明るく輝き、長い尾を引いて、少なくとも数十年に一度、評判通りならば数百年に一度と言われるミレニアム級の大彗星になる可能性もありそうなのです。なおこのアイソン彗星は二度と太陽には戻ってこないと言われています。いわゆる周期彗星ではない軌道(双曲線軌道)をとっているからです。
というわけで、太陽を通過後、また更に数十万年、数百万年の旅の後に、また私たちの銀河系内の別の恒星に引き寄せられ、または原始惑星に衝突して、そこに水をもたらし、生命の誕生に貢献するかもしれません。
ラブジョイ彗星
クロイツ群に属する彗星で、2011年12月15日太陽表面に13万kmまで異常接近しました。
彗星核が500m程度と小さいため、太陽の熱で蒸発するのではないかといわれましたが、無事近日点を通過しました。
機窓からの眺望(快晴の雲上)
ライト兄弟が初飛行をしたのが110年前。この時、アイソン彗星は太陽と地球の距離の130倍のところを太陽に向け暗い宇宙空間を双曲線軌道を辿っていました。彼女?彼が見たのは、複葉機の頼りないすごく遅い飛行機による59秒間、259mの飛行でした。科学技術は大幅に進歩し、2013年、地球上では数万機の航空機が毎日運行され、飛行機は移動手段としてなくてはならないものとなった感があります。
しかしながら今回のフライトは移動手段としてではなく、雲のない上空で、光害も無く、空気の密度が3分の1の澄み切った空間で、彗星を綺麗に見るという目的の為に搭乗していただきます。アイソン彗星は、水平線からの角度も低い(12月8日は最大でも10°程度)ため、飛行機からの観望フライトでは、地上からは実現できない、かなり有利な条件でご覧いただけるものと確信しています。飛行機の窓からの観望は、アイソン彗星に対しては有効な手段です。
ただいま飛行の方法、空域等も最良の条件をご提供できるよう検討中です。私自身も、これまで飛行中偶然にも数々の天文現象と遭遇しました。流星群あり、彗星あり、オーロラや人工衛星、さらには人工衛星の落下も目撃しました地上から見るのとは一味違った感動があり、今でもはっきり脳裏に焼き付いています。
ぜひ、皆さまにも当ツアーにご参加いただき、機上から見る空の神秘を味わっていただきたいと思います。
その他、皆さまが満足していただけるような趣向もいろいろ工夫する予定です。もちろんお子さまから専門家の方まで楽しんでいただけるフライトになるようにいろいろ企画、計画中です。どうぞご期待ください。
皆さまと空の上でお会いできることを楽しみにしています!
ボーイング737機長 森本
時間 | 行程 | 備考 |
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AM3:30〜4:00頃 | 羽田空港第1旅客ターミナルにてツアー受付 |
※本ツアーには新聞/TVなど報道関係者も同乗の予定です。あらかじめご了承ください。 ※詳細のスケジュールにつきまして出発前にお送りする最終日程表にてご確認ください。 |
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AM4:00〜5:00頃 | 羽田空港出発 | |
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約90分くらい | アイソン彗星を観察いたします | |
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AM6:00〜7:00頃 | 羽田空港到着 |
今回の特別フライトでは国内線用ボーイング737-800型機(座席パターンV30)の予定です。
ボーイング737-800型機
機内座席の様子
もちろん早朝の羽田空港集合に合わせて送迎バスもご用意。
送迎バスの定員25名までの限定コースとなります。
※送迎時間につきましては出発前にお送りする最終日程表にてご確認ください。
※バスはお送りのみとなり、搭乗後ホテルにお戻りの際はご自身でご移動いただきます。