中国が沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海上空に防空識別圏(ADIZ)を設けたことに対し、菅義偉官房長官は28日の記者会見で自衛隊機が中国への通告無しに同空域で警戒・監視活動を続けていることを明らかにした。一方、海上自衛隊と米海軍は27、28の両日、沖縄本島東方の太平洋上で実施した共同演習を記者団に公開し、共同対処能力を内外に示した。
演習では沖縄本島の南東約280キロの洋上にFA18戦闘攻撃機を載せた米原子力空母「ジョージ・ワシントン」(GW)が展開。海自の大型護衛艦「ひゅうが」など約20隻の艦船が参加した。2つの部隊が敵と味方に分かれ、上空や水上のほか潜水艦の襲来も想定して実戦さながらの訓練を繰り広げた。
演習は中国が防空識別圏を設定するより前の16日に始まった。「今回の演習は定期的なもので、挑発的な行為ではない」(米海軍第7艦隊司令官のロバート・トーマス中将)。とはいえ、場所は10月に中国が10隻以上の軍艦を展開した大規模訓練の海域に近い。
トーマス氏は記者団に「弾道ミサイル防衛以外の訓練はすべてやった」と指摘。海自の松下泰士自衛艦隊司令官も「日米の高い相互運用性を確認できた」と訓練の意義を語った。
ハワイからインドまで広域で活動するGWにとって、中国の軍事拡張は看過できない動きだ。
中国の防空識別圏設定についてトーマス氏は「米国のスタンスは全く変わらない。東シナ海では今まで通りの任務を行う」と強調。第5空母打撃群司令官のモンゴメリー海軍少将は、米軍の2機のB52戦略爆撃機が中国に事前通報せずに防空識別圏に入ったことについて「目的は言及できないが、国際法に従っている」と述べた。政府関係者は28日、B52の飛行について事前に日本側に連絡があったことを明かした。
日本周辺の海空域で軍事活動を増やす中国。海自の松下司令官は「我々は以前からこの海域で訓練してきた。中国が出てきたからといって引く必要もない」と強調した。
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