“4部署で過去から改ざん”11月28日 18時55分
参議院の国土交通委員会では、検査データの改ざんなどJR北海道で相次ぐ問題について、28日、野島誠社長ら経営幹部3人を参考人として呼んで集中審議が行われ、JR側は、現時点で改ざんが判明したうち、少なくとも4つの部署では「過去から改ざんが行われていた」と明らかにしました。
ことし9月の脱線事故以降、異常なレールの放置や検査データの改ざんなど安全に関わる問題が相次いだJR北海道について、先週の衆議院に続き、28日の参議院の国土交通委員会でもJR北海道の野島社長ら幹部3人を参考人として呼び、集中審議が行われました。このなかで、笠島雅之工務部長はこれまでの社内調査の結果として、現時点で改ざんが判明している9つの現場の部署のうち、富良野、室蘭、伊達紋別、上川の少なくとも4つの保線管理室で「過去から改ざんが行われていた」と明らかにしました。
JR北海道が、レールの検査データについて過去から改ざんがあったことを認めたのは、これが初めてです。
また、28日の審議では、社内調査を踏まえて、上司による改ざんの指示がなかったかなどについて質問が出されましたが、JR側は「12月中旬までに調査を行って年末までには公表したい」と述べるにとどまり、調査が続いていることを理由に詳しい内容を明らかにしませんでした。
このほかの質問に対しても「調査中」という回答をくり返し、議員からは「調査中を理由にするのは経営陣の認識が甘い。スピード感をもって対処するべきだ」とか「なぜ調査結果を明らかにできないのか。都合の悪い情報を隠しているのではないか」といった厳しい指摘が相次ぎました。
期限を設けずに実施されている国土交通省の特別保安監査は28日も続きました。
このうち、過去から改ざんが行われていたことが分かった「伊達紋別保線管理室」に28日午前9時ごろ、国土交通省の監査員4人が入りました。
伊達紋別保線管理室は、上部組織の室蘭保線所の管内ですが、この管内では伊達紋別、苫小牧、室蘭の3つある現場の部署のすべてで改ざんが行われていたことがわかっています。
また、同じく改ざんが明らかになった滝川、富良野の両保線管理室の上部組織である「岩見沢保線所」でも、28日、監査が行われました。
国土交通省は、上部組織が改ざんに関与していなかったかなど実態の解明を進めることにしています。