NHK:「侮辱的な表現」と逆転敗訴 台湾統治の特集番組
毎日新聞 2013年11月28日 21時45分(最終更新 11月29日 00時23分)
戦前の日本による台湾統治を取り上げたNHK番組に出演した先住民の女性らが、人種差別的な表現で名誉を傷付けられたとしてNHKに賠償を求めた訴訟で、東京高裁は28日、全員敗訴とした1審・東京地裁判決を変更し、女性1人についてNHKに100万円の支払いを命じた。須藤典明裁判長は「侮辱的な表現を使い、女性の社会的な評価を傷付けた」と認定した。
2009年4月のNHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー 第1回アジアの“一等国”」は、日本が1910年に先住民を英国の博覧会に連れて行き「人間動物園」として見せ物にしたとする内容を放送。判決は「『人間動物園』という人格否定につながりかねない言葉に飛びつき、女性にも番組の趣旨を丁寧に説明しなかった」と指摘した。【川名壮志】
NHKの話 今後の対応は判決内容を十分検討して決める。
女性側の荒木田修弁護士の話 公共放送のずさんな取材が認定され、画期的だ。