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中国 韓国の識別圏変更要求を拒否
11月28日 18時48分

中国 韓国の識別圏変更要求を拒否

中国が東シナ海に設定した防空識別圏が韓国の防空識別圏とも一部が重なっている問題で、韓国の国防省は28日、中国側との間で行われた協議の中で識別圏の範囲を変更するよう求めましたが、中国側は拒否しました。

中国が東シナ海に設定した防空識別圏を巡って韓国では、自国の防空識別圏と一部が重なっているうえ、中国との間で管轄権を争っている暗礁が含まれていることから、反発と戸惑いが広がっています。こうしたなか、ソウルでは28日、韓国と中国の国防次官級の協議が行われました。
韓国国防省によりますと、この中で韓国のペク・スンジュ国防次官は「防空識別圏が重なっているにもかかわらず、事前の協議もなかったことはとても遺憾で認められない」と述べて、防空識別圏の範囲を変更するよう求めました。
これに対して中国人民解放軍の王冠中副総参謀長は、「韓国側の要求を受け入れない」と答え、拒否したということです。
また、ペク次官は王副総参謀長に対して、韓国の防空識別圏を広げることを検討していると伝えるとともに、「今回の中国の措置によって地域の軍事的緊張が高まることを憂慮する」として関係国による協議を呼びかけたということです。
韓国のパク政権は、アメリカに加えて中国を重視し、習近平政権との間で良好な関係を築いてきただけに、中国による今回の措置に難しい対応を迫られています。

韓国の外交姿勢に注目

パク・クネ政権はアメリカとの同盟関係を基盤としながらも中国とも良好な関係を築くことを目指し、6月には中国を訪問して習近平国家主席と首脳会談を行うなどしてきました。
一方で、日本に対しては安倍政権が首脳会談を呼びかけているもののパク政権は歴史問題での日本側の歩み寄りがなければ意味がないとして首脳会談に応じない立場です。
しかし、先月3日に行われた日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる2+2で韓国政府が懸念を示していた日本による集団的自衛権の行使について、アメリカ側が支持する姿勢を示したことから韓国では「アメリカは安全保障のパートナーに日本を選んだ」などと衝撃が広がっています。
さらに今回、中国が韓国側と重なる形で一方的に防空識別圏を設定したことで反発と戸惑いが広がり、韓国メディアからは米中双方と良好な関係を目指すパク政権の外交について「アメリカとの関係を優先すべきだ」とか「まず、日本との関係を改善すべきだ」という声も上がっています。
こうしたなかで、27日、ユン・ビョンセ外相は講演の中で、「日韓関係の安定に向けて努力していく」と述べたうえで、最近の日本政府の姿勢を評価する考えも示す異例の発言をしています。
来週韓国を訪れる予定のアメリカのバイデン副大統領も日韓関係の改善を求めるものとみられ、今後、韓国の外交姿勢に変化が表れるのかどうか注目されます。

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