日本の台湾統治を扱ったNHKの番組で名誉を傷つけられたとして、出演者らが損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は28日、「人間動物園」という言葉が台湾先住民族の女性に対する差別的表現だったと認め、100万円の支払いを命じた。一審東京地裁判決は原告側の全面敗訴だった。
判決によると、2009年4月5日放送のNHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー」の第1回「アジアの“一等国”」は、1910年にロンドンで開かれた博覧会に日本が台湾の先住民族パイワン族の人々を連れて行ったことを取り上げた。博覧会には女性の父親も参加していた。
番組では当時、西欧諸国が植民地の人々の生活を見せ物にしたことを日本もまねた、として、集合写真を「人間動物園」の文字とともに放映。「連れて行かれたのはこの村の出身者たち」とのナレーションの後に原告の女性を紹介した。
須藤典明裁判長は「差別的な意味合いに配慮せずに番組中で何度も同じ言葉を使い、パイワン族が野蛮な植民地の人間で、動物と同じように展示された、と放送した。誇りを持って博覧会に出向いた人たちへの侮辱だ」と指摘。父親に対する女性の思いを踏みにじり、女性自身の社会的評価も低下させたと名誉毀損を認定した。
また、NHK側の事前説明が極めて不十分だったとして「表現の自由はあるが、取材対象の名誉に関わる内容を放送するときは同意がなければ免責されない」として賠償責任を認めた。〔共同〕
番組、東京高裁、NHK、NHKスペシャル
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