今年も、あと1カ月。年内に済ませておきたいお金のことについて見てみましょう。
最近は、歯の治療で、インプラントなど高額な支払いが増えています。総額で何百万円もする支払いを一括で行うのは大変なので、ローンを組むという人も多いようです。
歯の治療を現金払いでする時には、年内に支払いが済んでいないと、来年の確定申告の医療費控除の対象にはなりません。けれど、ローンを組んで長期的に治療をしていくという場合には、年内に金融機関と契約して融資がおりていれば、来年の3月に確定申告すると、医療費控除が使えます。支払い開始が来年1月からだったとしても、大丈夫。医療費控除では通常は領収書が必要ですが、こうしたケースでは歯科ローン契約書のコピーを添付することで認めてもらえます。
財産の一部を子どもに分けておこうという人は贈与税の非課税枠が使えます。年間に110万円まで無税なので、仮に220万円をあげる場合は、年内に110万円渡し、さらに年をまたいで110万円あげれば税金はかかりません。
子や孫が家を買うのを援助する場合はもっと非課税枠は大きくなります。来年の3月15日までに家が引き渡されるというケースでは、一般の住宅の場合、年内の贈与なら700万円まで無税ですが、来年になると無税の範囲が500万円に減ります。省エネ住宅の場合は、年内なら1200万円まで無税ですが、来年は1000万円に縮小されます。いろいろと条件があるので、詳しくは最寄りの税務署で聞いてください。
結婚するという人は、相手の合計所得金額が38万円以下なら、とりあえず年内に籍を入れておけば、配偶者控除が受けられ、所得税・住民税が安くなります。逆に、離婚する場合、相手が収入のない専業主婦なら、届けは来年にしたほうがいいでしょう。
1954年長野県生まれ。経済ジャーナリストとして幅広く活躍。デフレを見越し、借金を減らし投資を控える「資産防衛」を一貫して提唱。現在、テレビ・雑誌・新聞などを通じて不況時の生活防衛策や、保険、金融、住宅問題など実戦的な提案を発信している。著書に「荻原博子の家計まるわかり読本」(学研パブリッシング)「生命保険は掛け捨てにしなさい!」(ダイヤモンド社)など多数。監修した「ボクたちの値段」(講談社)も好評発売中。
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