焦点:中国の防空識別圏設定、軍の対応能力は不十分の可能性
[香港/北京 27日 ロイター] -中国が沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を含む東シナ海上空に設定した防空識別圏(ADIZ)に支配を及ぼそうとすれば、中国軍は哨戒任務や緊急発進の活動が増えるため、オペレーション面で忙しくなりそうだ。
地域の軍事アナリストや外交官によると、中国の防空レーダー網および哨戒機や戦闘機の活動は、英国の国土面積の約3分の2に当たるADIZをカバーするようになる。たとえ限定的なものであれ中国の行動は地域の警戒を呼び起こし、日本に圧力をかけることになるとの声も出ている。
中国はADIZにおいて識別に適切な協力をしない航空機に対し「防御的な緊急措置」を取ると警告している。
既に中国の対応は試されている。
25日には米軍のB52戦略爆撃機2機が、中国への事前通報なしに尖閣諸島上空を飛行。日本の大手航空会社の航空機は27日、中国当局に飛行計画を提出せずに同空域を通過した。
中国の国防省は、米軍のB52戦略爆撃機2機の飛行について、全航程を監視したと表明。米国防総省は、2機が中国機の監視やコンタクトを受けることはなかったと明らかにした。
日本の政府筋は、公海上空におけるこのような広範囲の空域をカバーするレーダーや戦闘機は中国軍にまだないとの認識を示す。
インターナショナル・インスティチュート・オブ・ストラテジック・スタディーズ(ロンドン)で東アジアの軍事問題を研究する専門家、クリスチアン・レ・ミーレ氏は、中国は艦載レーダーなどにより哨戒能力を拡大することが可能としつつ、依然としてギャップは残ると指摘している。 続く...