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ずいぶん時間があいてしまいましたが、犬猫2人同時の話を投稿させていただきます。
本編も投稿いたしましたので、ご確認下さい。
Extra わんだふる・にゃいと


 ついにこのときが来た。
 これはある意味、戦争だ。
 男である俺の男としての尊厳をかけた戦い。

 俺は静かに、そして厳かおごそに目の前の扉を開く。




「いらっしゃいませ~。ようこそ当店へお越しくださいました~」

 始めてきた時と変わらない掛け声で俺を出迎える支配人。

「これはこれは、ヒビキ様ではありませんか。本日はいかがなさいましたか?」

 こちらの用件などとうに理解しているであろうに、俺の口からどうしても言わせたいようだ。

「『キャット&ドッグ』、『犬・猫協奏夜わんだふる・にゃいと』で」

 俺の注文を聞いて辺りがざわりと反応した。
 この店の名前であり、一番人気のコース『キャット&ドッグ』。
 犬獣人と猫獣人、2人の女性から一夜限りの供を選ぶ事の出来る贅沢なコース。
 そのコースの裏メニュー。
 メニューの存在を知っていても、お供に選んだ女性からのお誘いがなければ選ぶことの出来ない特別なイベント。
 それが、『犬・猫協奏夜わんだふる・にゃいと』。

 それを頼めるのは選ばれし紳士のみ。

「かしこまりました。ヒビキ様、奥で少々お待ちください」

 支配人に連れられて奥の待合室に移動する。
 今夜、俺がここに来たのにはもちろん理由がある。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ヒビキ様?」

 ウェフベルクでも最も人通りの多い大通りを1人で歩いていると、顔見知りに声をかけられた。

「えっ? ああ、お店の」

「リナでございます」

「ふん」

 そう、『キャット&ドッグ』の犬獣人のリナと猫獣人のダイアンだ。
 ギーレンに連れて行ってもらった夜のお店の女の子だ。

 あの日、最後にまたお店に来てくれると言っていたのに全然来てくれないのはなぜなのか。
 もしかして、何かいたらないところがありましたか?と2人に問い詰められた。

「い、いやそんなことは無いよ。すごく楽しい夜だった」

 俺は、必死にそう言うが2人は納得してくれなかった。

「そうだ、次は私達2人でお相手いたします。これならきっとご満足いただけます」

 少し興味はあるが、基本我が家での夜のお勤めは複数人が相手だ。
 対戦相手が変わる事による変化には大変心引かれるが。

「逃げるんだ」

 今まで、目も合わさなかったダイアンが急にこちらを見つめて問いただしてきた。

「いや、別に逃げている訳じゃ」

「ヘタレ」

 そこまで言われたら黙っていられない。
 俺はあの頃の俺とは違う。具体的には、星剣の力と【自己再生】による無限の体力がある。
 この挑戦受けて立つ!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 こうして、対戦相手に対戦日を指定され相手のホームに足を踏み入れた俺。
 気分は、挑戦者チャレンジャーだ。



「ヒビキ様、お待たせいたしました」

 準備が出来たようで支配人が呼びに来た。
 通された部屋は薄暗く、部屋の奥が良く見えない。

「それでは、ごゆっくり~」

 支配人が部屋から出て行き扉を閉める。
 辺りは更に暗くなったが、目が慣れてきたようでぼんやりと部屋の中が見えるようになってきた。

「あれ?」

 静かな室内に違和感を覚える。この部屋は、2匹の獣が放たれているはずなのに静か過ぎる。

「にゃぁ」

 後ろから急に声が聞こえて、ビクッと反応してしまう。
 振り向く暇も与えられずに体をガッチリと固定されてしまう。

 首筋に何かが這う感触がする。おそらく、舌でなめられているのだろう。

「ダ、ダイアン。ベッドに行こう?」

「ダメ」

「なんでだよ~」

 ぎゅっと押し付けられた豊満な胸の感触を感じながら、両手で全身を弄られている。
 この娘がこんなに積極的に責めてくるとは予想外だ。

「ダイアン、ずるいわ」

 ダイアンがなぜ、ベッドに行くのを拒否したのか理解した。
 ベッドこそもう一匹の獣の領土テリトリーだったのだ。

 自身の領土から這い出てきたリナはすでに裸だ。
 月明かりをバックに立つ姿は、ゾクゾクするほどの色気を感じる。

「ヒビキ様、お待ちしておりました~」

 正面から唇を奪われる。
 ダイアンに拘束されている俺はなすがままにされている。
 しかし、それではいけない。今日の俺は挑戦者チャレンジャーなのだから。
 自分から責めなければ勝利は無い。

 俺はダイアンをひょいっと背中で担ぎ、左手でホールド。
 目の前にいるリナを腹に押し付け、右手だけで持ち上げる。

「にゃん!?」

「くぅ~ん!?」

 力技だがけして乱暴には扱わずに二人をベッドに寝かす。


「じゃあ、はじめようか?」

 2人に覆いかぶさるようにベッドに入る。



「はぁ、はぁ、ぷぅぁ」

「んちゅ、ちゅぱっ」

 2人と交互にキスをしながら、お互いを高めていく。

「ふぁぁ、お上手ですね?2人相手に慣れていらっしゃるんですか?」

 リナが一方的な快楽から逃れようとしながら俺の気を逸らす為に話しかけてくる。

「ああ、2人くらいなら大丈夫だ」

 家に帰れば最高で3人同時に相手にする事もある。
 それに、俺には2本の腕がある。
 2人までなら、自分で言ったとおり、何の問題も無い。

「んにゃ、ヒビキ、ヒビキ」

 それに先ほどからダイアンは俺の名前を呼びながら、豊満な体で俺の左腕を抱え込んで離さない。
 動きは制限されるが、意識はリナに集中できるので右腕でリナを引き寄せて彼女の弱点である犬耳をハムハムと甘噛みする。

「み、耳ばっかりやぁ あ、舌はダメぇ~」

 可愛らしく鳴くリナを存分に堪能し、右腕から解放する。
 しかし、ぐったりして体をベッドに投げ出したまま動かない。

「まあ、いいか。次はダイアンだ」

 そう言いつつ、左手で扱き続けたダイアンの尻尾のストロークと速度を上げる。
 すると、先ほどまで蕩け切った顔をしていたダイアンが悲鳴を上げる。

「ギニャーーー」

 体をのけぞり、足をピンと伸ばした状態で全身がわずかに痙攣している。
 それでも左手の動きを止めずにいると、ダイアンが両手で俺を引き剥がそうとしてきた。

「もういい、もういいから!!」

 俺はあいた右腕でダイアンをしっかり拘束し、全身にキスする。
 唇が触れるたびに敏感になったダイアンの体が反応してくれて楽しい。
 こうして俺の無限の体力によって、2匹の獣は一晩中嬌声を上げ続けていた。






「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております~」

 今回のお見送りは、支配人自ら行ってくれた。
 これは、2人が未だに部屋のベッドで深い眠りについているからだ。
 この事で支配人にしきりに謝られたが、俺はたいして気にしていない。

 笑顔で手を振り、店を後にする。
 これにて、俺のリベンジは完結した。

 後は、村に帰って本妻アイラたち折檻ごほうしされて終了だ。

 星剣よ、俺に力を!!




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