秘密保護法案:与党、衆院で採決の構え 維新、通過応じず

毎日新聞 2013年11月25日 21時42分(最終更新 11月26日 00時12分)

 自民、公明両党は25日夜の衆院国家安全保障特別委員会理事会で、機密を漏えいした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法案について、26日午前に安倍晋三首相が出席する質疑を行うことを提案した。野党側が反発したため、額賀福志郎委員長(自民)の職権で開催を決定。与党側は質疑後に日本維新の会やみんなの党と合意した修正案を可決し、26日中に衆院通過させる構えだ。

 修正案は特定秘密の60年後の原則公開▽法施行後5年間、特定秘密を持たなかった省庁から指定権限を外す−−などが柱で、25日の特別委で趣旨説明が行われ審議入りした。

 与党側はその後の理事会で、26日午前に特別委で首相や関係閣僚が出席する締めくくり総括質疑を提案。法案採決の前提となる提案に、民主、維新両党は「審議が不十分だ」などと反発、26日の審議自体に反対した。これを受けて与党側は額賀氏の職権で審議を行うことだけを決め、採決については結論を先送りした。

 与党側は26日の審議後に修正案を可決させ、同日の衆院本会議に緊急上程し、参院に送付する構えだ。首相は25日の参院決算委員会で「慎重に審議をした方がいいと思うが、かなりの時間を費やして審議をしているのも事実だ」と答弁。採決の環境が整いつつあるとの認識を示した。自民党国対幹部も「26日の衆院通過は譲れない」と述べ、野党側が反発しても26日の審議後に採決動議を提出、修正案の可決に踏み切るとした。

 一方、維新国会議員団は25日午後、平沼赳夫代表や松野頼久幹事長ら幹部が国会内で対応を協議し、26日の衆院通過に応じない姿勢を確認。松野氏は会談後、記者団に「緊急性が感じられない。(26日の衆院通過なら)すんなり賛成というわけにはいかない」と与党側の採決強行をけん制。修正案で「検討」にとどまっている秘密指定などの適否を検証・監査する第三者機関について「政府答弁が明確に設置を考えていないなら、反対に回ることは大いにある」と強調。特別委審議で政府が第三者機関の設置を明言することが賛成の条件との認識を示した。

 与党内では26日の審議で、首相らが第三者機関の設置に前向きな答弁をすることで、維新の賛成を取り付ける案が浮上。採決を巡る攻防は激化している。【高本耕太、阿部亮介】

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