メジャーにトルネード旋風を巻き起こした男が新たな“勲章”を手にした。野茂氏が米野球界で偉大な功績を残し、ベーブ・ルースらから連綿と続く殿堂入りの候補者に日本人として初めて名を連ねた。
野茂氏は1990年代前半にドクターKの異名で当時の近鉄で一世を風靡(ふうび)。日本選手のパイオニアとして1995年にドジャース入りした。1年目に13勝を挙げ、ナ・リーグ最多の236奪三振で新人王を獲得。その後2度の無安打無得点試合達成など、123勝を挙げた。日米に熱狂的なファンが誕生し、「NOMOマニア」として注目を集めた。
殿堂入りは同協会に在籍10年以上の記者による投票で全体の75%以上の得票が必要。殿堂入りの一つの目安が投手は300勝以上とされ、「メキシコの怪童」と呼ばれた173勝のフェルナンド・バレンズエラ氏も入っていない。123勝を挙げた野茂氏を追うように、その後も日本選手がメジャーで活躍。先鞭(せんべん)を付けた形の野茂氏が、日本選手のパイオニアとしての功績がどれだけ評価されるか、注目だ。
新たに殿堂入り候補となった19人には、355勝のマダックス氏や305勝のグラビン氏らが名を連ねる。打者ではホワイトソックスなどでプレーした521本塁打のトーマス氏が際立つ。