搬送先病院誤り到着遅れる　心肺停止の男性死亡、愛知・豊田

　愛知県の豊田市消防本部は２７日、心肺停止状態の男性（４８）を同日早朝に救急車で搬送した際、受け入れ先に決まった病院とは別の病院に運ぶミスがあったと発表した。男性はその後、当初予定されていた病院に運ばれ、死亡が確認された。到着時間は見込みより１４分程度遅れたという。

　市消防本部は、病院による死因の特定を待った上で、誤搬送との因果関係を調べる方針。担当者は「間違った経緯を詳細に検討し、再発防止の徹底を図る」としている。

　消防本部によると、２７日午前５時４０分、同市広久手町の住宅で男性が倒れているのを家族が発見し、１１９番した。８分後に救急隊員が駆け付けた際、男性は既に意識がなく、心肺停止状態だった。

　市内のトヨタ記念病院と連絡を取り、受け入れが決まったにもかかわらず、午前６時１２分に豊田厚生病院に搬送してしまったという。到着後ミスに気付き、あらためてトヨタ記念病院に向かい同２９分に着いたが、男性は死亡が確認された。ミスがなければ同１５分ごろに着く予定だった。

　消防本部は取材に「運転手と他の隊員の間で搬送先の病院名が誤って伝わった」と説明。誤搬送先の豊田厚生病院で対応しなかった理由は「原則として収容の要請に応じた病院に運ぶことが決まっているため」としたが、適切な判断かどうか検討するとしている。