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【プロ野球】

MVP バレンティンは最下位から初 プロ野球コンペンション

2013年11月27日 紙面から

 史上初めて、最下位チームからの最優秀選手(MVP)が誕生した。ヤクルト・バレンティンが初受賞。優勝に貢献した2位の巨人・村田(419ポイント)に3倍近い1135ポイントを集め、「最下位チームからもらったというのは特別なこと。来年は優勝してこの舞台に立ちたいというモチベーションになった」と発奮した。

 シーズン終了後はカリブ海に浮かぶ故郷キュラソー島に戻り、17日に地元で記念パレードをしたばかり。再来日したのもこの日の午前中。成田空港から会場に直行し、MVP記者会見の後、車で片道20分かけてヤクルトの球団納会にも顔を出した。すべての行事が終了したのは午後9時。「疲れたよ」とさすがにぐったりだ。

 それでも「たくさんの賞をいただいたので、感謝の意を込めてまた日本に来た。最高にうれしい。監督やチームメート、スタッフの協力がなければ達成できなかった」。29日には再び帰国する予定で、強行軍は感謝の表れだった。

 今季は前人未到の60本塁打を放ち、王貞治らが持つシーズン55本塁打のプロ野球記録を49年ぶりに更新。8月には月間18本塁打の新記録を樹立し、セでは王以来2人目となる3年連続本塁打王に輝いた。オフはMVPのほか、最高出塁率賞、ベストナイン、コミッショナー特別表彰と表彰ラッシュで、獲得賞金はこの日だけでも600万円。「半分は、キュラソーの子どもたちが野球する環境を整えるために使うつもり」と故郷に還元するプランを明かした。

 「個人的には忘れられないシーズンになったが、チームを優勝に導けなかった。来年は必ず優勝を勝ち取りたい。最後の最後に(三冠を)逃したのも、神が来年頑張れと言っているのだと思う」。あらためて日本一と3冠を来季の目標に掲げた。 (竹村和佳子)

 

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