しもちゅう語録

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中級産業カウンセラー試験の受験生がしもちゅう  の実技訓練、学習指導をを受講してきたなかで、
『これは重要!』と思って書き留めたカウンセリングTIPの記録です。あらゆるカウンセラー必読!!



1.小論文の書き方 18.ふと感じたことについて質問してみる 35.自問自答するクライエントへの対応
2.カウンセラーが感じたままクライエンに伝えること 1 19.同じ言葉を繰り返すクライエント 36.カウンセラー自身をディスカウントしない
3.カウンセラーが感じたままクライエンに伝えること 2 20.クライエントさえ表現できない思い 37.とにかく話したい・聞いてもらいいCL
4.キーワードをみつけてみよう 1 21.クライエントの言葉をは端的に返す 38.気落ちして気持ちが沈みがちなんです
5.キーワードをみつけてみよう 2 22.〜ですね 39.Cl.が“おつき合い
6.クライエントがカウンセラーを試すとき 23.友達に関する相談の事例は 40.Cl.の話がずっと続く
7.主訴をつかむ 24.〜だけれどね。 41.組織改善のアドバイスを求められた相談の場合
8.クライエントの「今の思い」 25. “余情残心”
42.「シャドウ」体験学習とは?
9.問題点が複数に及ぶ場合は 26.職場のカウンセリングのポイント 43.『理性的なCl.への対応』
10.推測・推量で問いかける 27.CLの言葉をまとめる方法 44『話の区切りと応答の焦点』
11.短い話にも主訴がある 28.Cl.がすでに自分の問題点をよく分かっているケース 45.『面接終結のコツ』
12.クライアントを励ましたくなった 29.中級試験用に提出する逐語1 46.『クライエントのイメージとカウンセラーの思いこみ』
13.話がクライエント自身の話にならないとき 30.中級試験用に提出する逐語2 47.『ポジティブに自己評価をする』
14.自分の言葉で返す 31.ポジティブな気持ちを受けて返す 48.問題解決の後の支持的応答
15.カウンセラーの聞き方の基本は「as if」 32.クライエントのある言葉が気になる 49.問題解決型カウンセリング
16.ズバリの質問 33.「そういう経験」ってどういう経験? 50.決定に対して期限のある相談のコツ
17.感情をとらえ直前の大事な事柄をつけて返す 34.話の流れがよく変わる

                                              


 50.決定に対して期限のある相談のコツ
 職業上の進路相談の場合、Cl.が決定しなければならない期日があることもあります
進路そのものよりも決定時期が迫っていることを気にかけているときには、
「困る」「迷う」よりも「あせっている」という言葉がキーワードになるときがあります

そのような相談の場合は、「時間」「あせり」という視点で応答を進めれば、
解決への流れが速まることがあります



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 49.問題解決型カウンセリング
 問題を解決しようとする姿勢はカウンセリングには必要ですが、
その場合理詰めで原因探求するだけではよくありません
まず面接の最初の段階でCl.の気持ちを受け止めたうえで、
原因探求の質問などを織り交ぜて問題解決型の進め方を検討する
あるいは、Cl.自身が洞察を進め出したら、
それを取り上げて解決に結びつけるという方法もあります。

 Co.が問題解決型の応答を目指すときは
Cl.がそれを望んでいるかということが問題になります
どのカウンセリングを選ぶかはCo.次第ですが
見立てを決めて、自分の枠組みを先行させることなく
一貫した姿勢で取り組むことです

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 48.問題解決の後の支持的応答
 クライエントがある経験から気づきを得て、
カウンセリングを通して問題点が最終的に解消した場合、
終結場面ではカウンセラーは共感するだけでなく、
「今とてもいい経験をしていますね」
を素直に感想を述べ、Cl.を支えてあげると、
よりよい対応になるでしょう。


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 47.ポジティブに自己評価をする
 ケガをして不自由な生活を送った数日間の
「過去」の感情について話すClにに対して、
あせって先の話を聞き出そうとするCoがいました。

Clの感情を受け止めないCOはNGです
しかし、ふりかえりをする場合、
カウンセラーは自己卑下をせずに
Cl.の立場でポジティブに考え、自己評価することが大切です
「話を先に進めたくなった」のではなくて
「クライエントのこれからの前向きの感情を聞きたかった」
と捉えれば、カウンセラーとして適切な対応といえます



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 46.クライエントのイメージとカウンセラーの思いこみ
 この事例は、クライエントがカウンセラーでした
自分が行うカウンセリングに疑問を感じたの相談です
 Cl.は仕事のカウンセリングで身についた「問題解決型」の手法と、
自分の理想とのズレについて問題にしています。
「問題解決」はカウンセリングの究極の目的です。
私たち、カウンセラー初級者は
「問題解決型」=「原因追求型」=良くないと思いがちなので、
自分なりに解釈しないよう注意しましょう。

 この事例の場合、Clが述べる「問題解決型」の
具体的な内容を聞かなければ、Cl.の疑問に迫ることはできません。
Cl.が主訴について話している最初の段階では
質問しにくいという意見がありましたが、
「問題解決型」のほかにも「この道」「カウンセラー像」といった、
抽象的で、Cl.にしか分からない言葉が出てきているこの事例においては、
機会をとらえて、
「この道とおっしゃいましたが、具体的にはどういうことですか?」
などと質問して、Cl.がイメージしている内容を明確にすることが、
Cl.を理解するためには必要といえるでしょう。
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  45. 面接終結のコツ
 面接終結の対応については毎回迷うところです
Cl.発言の要約をして、最後に「そろそろお時間が来ましたので…」と
ぷつんと終わるより、
最初に「そろそろお時間が来ましたので…」と断ってから要約したほうが、
Cl.にも「受け止めてもらえた」という気持ちが残る対応になるものです。

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  44.話の区切りと応答の焦点                                               
 Cl.の言葉に応答する場合、こまめにおうむ返しをするより、
話のポイントについて大事な事柄とあわせて感情を返すほうが、
よりCl.の気持ちを受け止めることができます。
そのようなときは、その場その場でよく話を聞いておき、
区切りでまとめて返すようにしましょう。
 Cl.の気持ちに変化が現れたときは、
「新しいCl.」「新しい気持ち」のほうが大事。
古い気持ちより、新しい気持ちに焦点を当てて応答するとよいでしょう。
同様に、前向きな感情が出てきたときは、それを支えるようにしましょう。

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  43. 理性的なCl.への対応
 人生の選択肢で迷うCl.の事例などの場合は
なかなか決断ができず、話が堂々巡りになりそうなことがあります。
そのような場合、Cl.の気持ちの動きを捉えて、
Co.が気づきのきっかけをつくることがポイントになります。

 事例のケースのCl.の言葉の場合は、
「自分の責任で自分で決める」→
「考慮中ってところ」→
「気持ちが、その日1日ずつお天気みたいに変わる」→
「(選択条件の1つが)心配になってきている」
のような発言がありました
特に最後の発言によれば、心配がもっと増える可能性があります。
 そこで
「〜が心配の要素になってきているんですね、
それが決定要因のひとつになると捉えましたが、いかがでしょうか?」
と問いかけることで、決断のきっかけをつくることができます。

 理性的なCl.であっても、気持ちの変化を鋭敏に捉えることで、
自信を持って対応することができるでしょう。

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  42.「シャドウ」体験学習とは?
 ロールプレーの際に、Cl役.のそばに「影(シャドウ)」という人間がつき、
Cl.の発言を復唱してCl.に(小声で)伝えるという方法です
Cl.は、自分の言葉(気持ち)を確認しながら、次の言葉を言えることができ、
その影は、Cl.の言葉をなぞることで、Cl.の気持ちを体感するという方法です

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  41.組織改善のアドバイスを求められた相談の場合
 会社の現状を改善するためのアドバイスが欲しいという相談では、業種特有の専門的な話も出ます。
まず困りきっているCl.への共感を言葉で返すことが大切です
そして専門的な回答は難しいと思わず、どのようなこと(内容)をアドバイスしてほしいかに焦点づけし、
それに沿って詳しく聴いていくことが最初のステップです
そうすることでより明確に主訴を感じ取ることができ、解決への見立てをすることができます。
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  40.Cl.の話がずっと続く
 基本的には話のじゃまをしないよう聞いていきます
Cl.が少々言いよどんで間があいても、言いたいことを考えているようなら、先走りして発言しないほうがいいですが、
その代わり「だから?」「それで?」などと促進するとCl.が話しやすくなります。
発言の中でも感情が強く表れた言葉は、間を逃さず、できるだけその場で返したいもの。
またCL.の発言が長くても、ピッと心に響いた言葉をピックアップしてつなげれば簡潔な対応が可能です。
Co.の感じたことを堂々と主張しましょう。その際、「みたいな感じ」「少しずつ」といった微妙なニュアンスを含んだ言葉も
一緒に返すと、よりCl.の気持ちに沿うことができます。

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 39.Cl.が“おつき合い”

 Co.が主訴から外れる応答をしたとき、それにCl.が“おつき合い”してくれること
があります。つき合ってくれてるな、と感じたら、Cl.の発言をそれ以上展開させ
ず、静かに傾聴する、あるいは「なるほど…」などと簡単受容したうえで、すぐに話
を元に戻すようにします
その意味でも、「う〜むと考え込む」「苦笑いする」などの非言語ミュニケーションは
敏感に受け止めるようにしましょう

 Cl.に戸惑いや反発するような態度が見えないからといって安心してはいけません
常に主訴を頭に置いて、自分の応答が主訴に沿っているか確認しながら、
面接を進めることが大切です
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 38.気落ちして気持ちが沈みがちなんです

 「気落ちして気持ちが沈みがちなんです」Cl.が訴えるとき、
原因や過去の事柄が語られると、事柄について詳しく尋ねるといった
”原因探求”に走ってしまいがちです。

 大事なのは、今ここで起こっている(気持ちが沈みがち)という気持ちです。
「○○したので、気持ちが沈みがちなのですね」と、事柄と気持ちをからめて応答するようにします。

 ただし、どうしても過去の事柄が気になるようなら、率直に
「○○したとは、どういうことでしょう?」
と尋ねてみてもよいでしょう。

 特にCl.が軽いうつ状態にあるときは、沈黙も含めて
気持ちを受け止めるだけでよいのです。
Cl.の症状がうつに当てはまるか確認してみて、
面接の最後で、次回の予約をなるべく早く入れるようにします。
特に重い場合には専門家にリファーすることが必要。

 Cl.がうつ状態にあるかは、Co.体験を重ねることで分かるようになるので、
できるだけ多くの面接を体験するようにしたいものです。
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37.とにかく話したい・聞いてもらいいCL

 過去の嫌な体験について一気に話し、とにかく話したい・聞いてもらいたいという場合は、
格式ばった応答ではテンポがくずれるので、Co.も概要を手短に受け止めるようにします。

 ただし、口にはださなくても、体験や感情のひとつひとつのニュアンスは受け止めておいて、
面接の最後にはきっちり要約したいものです。
訴えの根底にある欲求不満をしっかり捉えて返さなければなりません。

 Cl.の言葉をそのまま使うだけでなく、感じ取ったニュアンスを
Co.の言葉でうまく表現して、さらにぴったりした応答にするとベターでしょ

う。

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 36.カウンセラー自身をディスカウントしない
 逐語検討やロールプレーのあとの振り返り等で、カウンセラー自身が「この言い換えは不適切ではないか」とディスカウントする傾向が
ある場合があります。クライエント役の方から「いい応答」とほめてもらった場合、カウンセラー役の人はその評価をきちんと受け止め、
「ココは良かった」と自己主張するようにして、正しい自己評価をしましょう。

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 35.自問自答するクライエントへの対応
 クライエントの発言で「〜かなぁ」という表現は自問自答です。クライエントの言葉(気持ち)を繰り返す場合、断定するのではなく、「忘れちゃいけないのかなぁ」など“かなぁ”まで入れて、微妙な気持ちを表現するようにします。クライエントが自問自答している場合、“心に引っかかっている棘”についてすぐに明確な解答を得られることはできないかもしれませんが、カウンセラーが“棘の中身は何か?”について感じたことをはっきり返してみることにより、カウンセリングの流れが違う方向に行く可能性があります。
 また「〜だろうけれど…」など、余韻を残すような形で終わっているクライエント発言も、促進技法で「〜けれど?」「それで…?」など、“何かまだ言いたい”気持ちを引き出します。

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  34.話の流れがよく変わるとき
 よく話し、かなり感情を表出したり、気持ちの揺れや迷いなどをよく表現するクライエントの場合、長い発言の途中で話の流れが変わることも多いです。
話の区切りごとに“今”(進行形)の気持ちをタイミングよく受け止めるようにしましょう。話の途中で言うのをやめたりして、気になった言葉は
「“まだ…”とはどういうことでしょう?」など、尋ねてみてもよいかもしれません。

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 33.「そういう経験」ってどういう経験?
 クライエントが、「そういう経験」と言ったときには具体的にどういう経験のことを言うのでしょう。
分からない場合は、カウンセラーの.の枠組みで理解せずに質問するほうがいいでしょう。ただしその場合、
過去体験をほじくるような聞き方ではなく、ストレートに「そういう経験とはどういうことですか?」と確認するようにします。

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 32. クライエントのある言葉が気になる
 Cl.発言の一つの言葉だけにとらわれて、発言全体を受け止めないのは良くありませんが、その内容を具体的に理解するため、話の流れの中で
確認することは大切です。どうしてもある言葉が気になるなら、我慢せずに質問することも必要です。
 たとえば、Cl.の「まぁ、そうですね」「まぁ、心構えができているか…」など、「まぁ」という言葉は、“ある程度そうだがピッタリではない”という意味もあれば、
ただの口癖という場合もあるかもしれません。すぐには分からないので、自分で推察せずに、
「“まぁ、心構えができているか”とおっしゃいましたね。それで…?」というように、さりげなく確認するのも一法でしょう。
 また、文尾に「〜かなぁ」が続くCl.は、まだ考えが断言できなかったり、気持ちが揺れていたりする状態です。そんなときは、Co.も結論を急がずに、
Cl.の気持ちに寄り添うほうがいいのかもしれません。

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 31.ポジティブな気持ちを受けて返す
 不安や嫌悪感など、ネガティブな気持ちを訴えていたCl.がだんだんと前向きな意思を表明し始めたときは、その気持ちをしっかり受け止めて、
ポジティブな返し方をするようにしましょう。
前向きな明るい気持ちを支えることで、Cl.の気持ちがふっと軽くなることがあります。そのあとで表されるグチなどは(誰でも)いくらでも出てくるものなので、
ネガティブな感情に後戻りしないようにするためにも、必要以上にほじくらず、サラッと受け止める程度にします。
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  30.中級試験用に提出する逐語2

 この日は中級試験用として実際に提出された面接記録の検討を行いました。この面接は3回目とのこと。そこで面接記録の中の「クライエントの主訴」に関して、
「この日の面接における主訴を書くのか、それとも初回面接の主訴を書くのか?主訴が途中で変わってくることもあるのでは?」という質問がありました。
 答えは、初回面接で捉えた主訴を書き、「面接経過状況」で2回目以降の経過を追記する、とのこと。初回で主訴をしっかりつかみ、常にそれに沿って話を聴かないと
Cl.が不安になってしまいます。
 この日の面接でも「仕事の引き継ぎをきっちりやる」という主訴である前向きな気持ちと、「でも大変だ」という否定的な気持ちの間でCl.が揺れていましたが、
否定的な方向へ進めない意味でも、Co.は同調することなく、主訴(=前向きな感情)に話の流れを戻していくようにしたいものです。
 また「Cl.に対して評価的である」と自己評価しているCo.に対して、「あなたは〜ですね」ではなく「あなたは〜であるように私は感じますが、いかがですか?」と
対応するようにすると、押し付けではない自己一致した表現になって良い、というアドバイスがありました。ちょっとした言葉の使い方で受け止め方も変わるので、
積極的に取り入れてみましょう。
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  29.中級試験用に提出する逐語1

 同業者の友人に対する心配をきっかけに、自分の仕事の歩みを振り返り、今後の展望に至っていくまでのCl.の心情がつづられたち九語でした。Co.はCl.の鏡となって、
Cl.自身が気づかない感情や意識をはっきりと映し出す役割を演じます。今回Cl.がこれまでの仕事のやり方について「ラッキーだった」と振り返る場面がありましたが、
これに対してCl.が「偶然ではなく、そういうふうに自分で作ってきた」と表現し肯定的に受け止めたことは、Cl.が無意識で行ってきたことを意識させ、気づきに導いていくための
良い対応だったといえるでしょう。
 またCl.の「認めるしかないのかな」という言葉には、「認めたくないけど、認める必要がある」という本音が表れています。少々ネガティブにも思える表現ですが、
しっかり受け止めたうえで、その後に現れる前向きな気持ちを支えていくようにしましょう。
 なお中級試験に対するアドバイスとして、逐語検討では、主訴の捉え方や今後の見通しなど一貫したスタンスで自己評価を行い、試験面接でも同様に、試験官に
迎合することなく“カウンセラー”としてのアイデンティティを主張すべし、という激励がありました。たとえ間違っていても、自分なりの根拠があれば自信を持って主張できます。
専門家を目指す者として、早く自分のスタイルを確立し、自信を身につけたいものですね。

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 28.Cl.がすでに自分の問題点をよく分かっているケース

 すでにCl.が自分の問題点をよく分かっているケースであれば、それをふまえたCo.の対応が問われます。面接で感じた問題点だけでなく、一歩進んで、前向き・発展的に
対応するにはどうすればよいか(例えば、Cl.がアサーティブに行動・発言することをCo.が支持する等)を出席者で考え、それに沿ってCo.の対応を総合的に検討していく
という事例検討的な進め方が必要になります。
 今回は、Cl.の発言から気になった大事な言葉をピックアップしてつなぐという手法で、「Cl.が何を言いたいのか」をまとめながら、より望ましいCo.の応答を考えていきましたが、
やはりCl.自身の気づきは聞き逃さずに取り上げてサポートすることが大切です。
 また、Cl.がディスカウントしているようなときは、そのまま受容するのではなく、ディスカウントの底にCl.がどうしたい気持ちがあるのかを吟味したうえで、具体的で
前向きな対処法に置き換えてサポートするとよいでしょう。
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  27.CLの言葉をまとめる方法

 逐語検討では、Cl.の言葉をひとつずつ分析しながらピックアップしてつなげていくことで要約し、より良いCo.の応答を考えていくことができます。長い発言の場合、
まず10個ほどのCl.の言葉をそのままつなげて丁寧な応答をつくりましたが、コンパクトにまとめたいときは、そのうちの最も大事な言葉を2〜3個つなげるだけでも十分。
場合によって、丁寧で緻密な応答、手短で端的な応答と使い分けられ、大変役立つ手法です。
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  26.職場のカウンセリングのポイント

 職場のカウンセリングは、職場の構成や仕事の内容、人間関係などが分からないと難しいものです。質問をためらわず事実関係を確認しておきたいものです。
そして「人間としてもっと成長したい」など、Cl.が気づきに入ったら、積極的に評価するようにしましょう。


  25. “余情残心”

 今回の面接で気づきに達したことで、次回の対応をどうするかについて、参加者の間でディスカッションしました。「まず次回の予約」「課題を出す」「今回で終結」
「必要なときに面接でガス抜きしてもらう」などの意見が出されましたが、しもちゅうさんからは「今回で一応終結するが、それで終わりでなく、カウンセラーから電話などで
連絡をとり、さりげなくその後の様子を伺う」という方法が提案されました。“余情残心”で、面接が終結した後も、クライエントに気をかけることがカウンセラーにとって
大切なことだといえるでしょう。

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 24.〜だけれどね。
 クライエントが「○○なんだけれどね…。」と言う場合、「○○」以外の気持ちも含まれているかもしれません。それを察するのはなかなか難しいですが、感受性を高めて、
その場で「××という気持ちもあるのではないですか?」と問い掛けられるようにしたいものです。
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 23.友達に関する相談の事例は

  友人の生活状況・生活態度を心配しての相談の事例。解決策を考えるだけでなく、友人との関係を見つめ直したり、さらにはクライエント自身の内面を投影しているように
思われるくだりもあるときは話の焦点づけに迷う場面もあります。このような場合、カウンセラーは自己一致で「友人の悩みなのか、あなたの悩みなのか、わからないのですが、
どちらですか?」と素直に尋ね、焦点づける対象を明確にしましょう。こうしたロジャーズ流のソフトな迫り方ではなく、論理療法的にズバリ「あなた自身の悩みを話してください」
と切り込む方法もありますが、クライエントがショックを受けて拒絶反応を起こしてしまうこともあるので注意です。

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  22. 〜ですね
 
 Co.はCl.に対して常に共感的な態度で対応しなければなりません。そのためには「〜なのですか。」ではなく、「〜なのですね。」と応答すると、より共感的な印象になります。
応答に自信がないと「〜ですか?」とつい確認しがちになるので、意識して「〜ですね」と言うように心がけましょう。
 また、Cl.の言葉が心に引っかかったらためらわずにCl.に尋ねてみましょう。Cl.自身の思いでなくても、そこからCl.の感情を引き出すきっかけになることがあります。

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 21. クライエントの言葉をは端的に返す

 Cl.の主訴が一貫している場合、語り口が温和であったとしても、おうむ返しや婉曲な表現よりも、Cl.の言葉を使って端的に返したほうがCl.の気持ちをくんで
効果的のようです。ちょっとオーバーな表現だな、と思ってもです。
 また、よく用いる「自己一致」といった言葉や「笑い・沈黙の意味」などを使用するときは、具体的でできるだけぴったりくる言葉を考えましょう。中級試験に臨む場合は、
逐語検討の自己評価のところは、例えば「Co.の憶測から」を「共感的に受け止めて」などと、表現を(あえて)前向きに言い換えることも大事です。
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 20.クライエントさえ表現できない思い

 Cl.自身も表現できないような言葉や思いが出てきた場合、Co.は率直に質問して詳しく説明してもらうしましょう。無理やり理解しようとするより、
「どういうことですか?続けてください」とCl.にバトンを渡すようにします。ただしCo.がはっきりと感じたことはCl.に伝えましょう。思わず出た言葉が核心をつく場合もあるし、
たとえ間違っていても、Cl.の気持ちの確認にもなります。また個々のCl.発言への対応も重要ですが、キーワードを受け止めながら、全体の流れをつかむようにすると
Cl.の感情がより深く分かるようになります。

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  19. 同じ言葉を繰り返すクライエント
 
 Cl.が同じ言葉を何度も繰り返すのは無意識の表れ。ふだん抑圧されている思いがカウンセリングの中で少し解放されているので、その言葉をしっかり受け止めるように
しましょう。と同時に「言葉」を単語そのままの表面的なものではなく、その言葉の持つニュアンスを大事にしましょう。
 逐語では文字のほうが目立ちますが、Cl.の語調なども聞き逃さないように。またCl.が内省的・内罰的な状態にあるときは、やさしく受容するだけでなく、
「そのように感じているなら、〜してはどうでしょうか?」などとCo.が感じたことを提案したりすることで、気づきを促すなど、Cl.の成長を援助することも重要です。

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 18.ふと感じたことについて質問してみる

 一つの質問がカウンセリングの流れを大きく変えることがあります。ある面接ではカウンセラーがクライエントの話を聞いてふと感じたことを質問としてぶつけたことが、
Cl.の気持ちに転機をもたらすきっかけになりました。Co.が感じたことは素直に言葉にしてみましょう。ただし唐突に思われないようにCl.の話を受け止めたうえで切り出すなど、
なめらかにつなげるような工夫をしたいものです。
 またCl.の話に初めて出た言葉や思いには「気づき」が含まれていることがあるので、注目しましょう。今回の例では、その気づきに対して、Cl.の自信が揺らいでいましたが、
その思いが本当であることが再確認できたら、Co.はCl.を支持する対応をするようにしましょう。

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  17.感情をとらえ直前の大事な事柄をつけて返す

 カウンセラーの応答の基本は「クライエントの感情をとらえて、それに直前の大事な事柄をつけて返す」例えば今回の逐語検討のケースですが、
「イライラしている」という感情に、その「原因探し」という事柄を加えて「何が悪かったのか、そこから何か学びたいと、とってもイライラしているんですね」
というような対応になります。特にクライエントの強い思いが現れている「とっても」という言葉を入れるのがポイント。
 実際には、慣れないと精神的にも時間的にも余裕がなく、それほどの的確な対応をするのは難しいものですが、「カウンセラーの役目はクライエントの
大事なポイントを伝え返すこと」と頭に刻んで、じっくり応答していくようにしましょう。キーワードになるようなクライエントの言葉は、その場で「つぶやき」で返すのも
十分効果的です。
 また、大事な感情であっても「自責の念」といったネガティブな感情ばかり受け止めていると、クライエントをどんどん落ち込ませてしまうので、「その中から
より良い自分にしたいと思っているんですね」などのように、肯定的な方向へ受け止めるようにしましょう。
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  16.ズバリの質問

 クライエントがストレートに主訴を話さないとき、あるいはカウンセラーが話の意図をつかみかねるとき、局部的な細かい質問を重ねるのではなく、ズバリ
どんなことを話したいのか質問するようにしましょう。クライエントが「会話を楽しんでいる」ような場合は、カウンセラーも重々しくせず、「なるほど」「はい」と
単純受容で受け止めれば十分ですが、それでも真剣な態度で向き合うことが重要。一見軽妙な会話の中に深刻な思いが隠れていることもあります。
 カウンセラーは日ごろから感受性を高め、クライエントの印象を短時間でつかんで、その奥にある感情を鋭くとらえる必要があるかもしれません。

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  15.カウンセラーの聞き方の基本は[as if」

 カウンセラーの聞き方の基本は「as if」。「あたかも」体験するかのように感じ取ること。クライエントの心に片足を突っ込んで、カウンセラーの主体性を残しながら
話を聞きます。白紙無色の状態で聞きながら、クライエントの思いをカウンセラーが鏡となって映し出すのです。
そんなわけでカウンセラーはあくまでもクライエントの思いを受け止めるだけで、自分の意見を主張するのはバツですが、カウンセラーがクライエントに対して
感じたことは率直に伝えてみましょう。思いを引きずっていると、話が無心で聞けなくなるし、それがクライエントの気づき(核心)のきっかけになることもあります。
 またクライエントについて知りたいことがあるときは、「〜はよくするほうですか?」という閉ざされた質問でなく、「どのように〜していますか?」という開かれた質問をすると、
状況を詳しく知ることができます。

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 14.自分の言葉で返す

 初級レベルでは、Cl.が使った言葉をそのままおうむ返ししてもOKですが、中級レベルでは、Co.がCl.に対して感じたことを、Co.の言葉を使って自己一致した状態で
返すことが大切になってきます。ただしそれが「当たらずといえども遠からじ」になるようにしなくてはいけません。そのためには、やはりCl.の言葉を引用するのが安全。
というわけで自分の言葉で柔軟に応答できるようになるには実践あるのみです。また面接記録の書き方はたびたび触れるところですが、基本は読む人(試験の面接官など)に、
「自分の発言をどう評価しているか」を分かりやすく伝えること。結果として、「適切・不適切」→「その理由」→「不適切な場合は、より望ましい発言を書く」という形に
落ち着きますが、右にならえのワンパターンな表現ではなく、コツを覚えて自分なりの書き方で評価するようにしましょう。

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 13.話がクライエント自身の話にならないとき

 クライエントが第三者についての話に終始する場合、カウンセラーは話の中心人物に焦点を当てるのではなく、「あなたはどう思うの?」と、Cl.自身に関わり、
自分の問題として捉えてもらうようにすることが大切です。
 またいろいろ話しているようで、言葉の奥が語られていない場合にも注意。内容のあいまいな言葉については、「それはどういうことですか?」と質問します。
例えば、CL.「否定されたんです」CO. 「否定されたというのはどういうことですか?」など、具体的な説明に導くような質問まず説明してもらい、それから深く掘り下げるとよいです。
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  12.クライアントを励ましたくなった

 感情表現のはげしいCl.に対して、励ましたくなったけれど、そうしてよいのか分からなかった、というCo.「がんばったのね、と励ましてもよいですが、
励ましたいのにそうしないのは、まだ自己一致できていませんね」
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  11. 短い話にも主訴がある

短い時間で、一見状況説明のような話の中にも大事な言葉がいくつかあります「今日はこれを話したい」という意志表示は、Cl.の話の最初に出てきます。
この主訴(に近いもの)をちゃんとキャッチすると、Cl.も安心感があるしCo.も話の筋道ができて進めやすくなります。Cl.が話し続ける場合も、大事な部分はCo.が
ポイントを要約して「ちゃんと聞いてますよ」と伝えることが必要です
 また話の筋道に沿っていればどんなことでもCl.に質問するべし。抽象的な話には「具体的に教えてください」と質問することも重要です。専門的な仕事の話でも
それは欠かせませんが、知識としてカウンセラーも世間一般のことに通じておく必要があるでしょう。Cl.がロールプレイから得た前向きな感情はしっかり受け止め返して、
援助すること。大事な言葉を頭に残しておくためには、それを聞いたらすぐに返すようにするという経験の積み重ねが何より大切です

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 10. 推測・推量で問いかける

カウンセリングは結果だけではなく、プロセスが肝心。1回の面接でCl. にとって何かしら手ごたえがないようではカウンセリングの意味がない。そのためには、
Co.はおうむ返しだけでなく、推測・推量で問いかけ、話を早く進めるのも効果的です。Co.の間違いはCl.が訂正するので、積極的に関わることです。
「推測等の失敗はやむを得ない。自分の間違いを素直に修正することのほうがもっと大切」。問題を明確にするためには、感情でも事柄でもキーポイントになる言葉は
その場で確認することが大切です

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   9. 問題点が複数に及ぶ場合は

 Cl.が複数の問題点に触れた場合、どのように対応するか。限られた時間の中では、いくつかある問題点の中の 最も大きなものに焦点を当てて、まず解決に導くべき。
40〜50分で重要部分の問題整理をしておけば、あとは Cl.の意志(選択)に任せることも可能です。

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  8.クライエントの「今の思い」

 ロールプレイで大事なのは、クライエントの「今の思い」。その中に過去に対する思いが含まれている場合、その出来事(事実関係)を聞くことも大切ですが、
行動の詳細や第三者についての説明よりも、その中で生じたクラインエントの気持ちが一番大事そこで発せられた感情表現はしっかり受け止めて明確に返しましょう。
それが今の思いを受け止めることにもつながります。
 またファシリテーティングの手順で忘れてはならないのは、検討の最初にカウンセラーに主訴を確認すること。主訴にそって検討を進めていけば、
内容が枝葉に流れることなく、筋道立った検討を行うことができます。そして参加者の意見が一通り出たら、クライエントに本人の気持ちを確認しましょう。

みんなの議論がズレているようなら、ファシリテーター自身の意見を述べ、指導的な役割を発揮することも必要です。
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  7.主訴をつかむ

カウンセリングではできるだけ早く主訴をつかむことが大切。そのためにはCl.の最初の言葉(主訴に関することが多い)を頭に留めておいて、その後の話が主訴と
どう関係しているのか(核心か否か)をとらえながら話を聞いていきます。
 Cl.が主訴を言いたくないように感じたらもどかしく感じますが、「どのようなお気持ちですか?」と今の気持ちを聞くといいでしょう

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  6.クライエントがカウンセラーを試すとき

 Cl.がCo.を試しているようなときはどうするかCl.がCo.に「問題を解決してほしい」と問い、試されていると感じたときは、それを問いただすのではなく、
「自分の問題を解決するのは自分では?」と主体をCl.に持って行きます。場合によっては「それは甘えでは」と問いかけて意識を改めてもらう必要もあります。

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 5.キーワードをみつけてみよう 2

 前回同様「キーワードを見つける」をテーマに面接実習と討論を進めました。「筋金/心棒がなくなった」「思った以上に大きな存在」「ヤワになった」「抜け切れない」
「しっかりしろと自分に言い聞かせる」「しゃくにさわる」という特徴的な発言が多く、キーワードと主訴についても、出席者からさまざまな意見が出されましたが、
面接冒頭の発言、「はっきりしない」という気持ちが前述の発言のベースになっており、”気持ちの整理をしてはっきりさせたい”が全体を通しての最も大きな訴えである、
というしもちゅうの意見に参加者が納得しました。
 さらに細かく検討し、“行為の対象がいなくなったことに加え、自分自身の目標もなくなって張り合いが失われたのではないか”といった指摘についても、
各人が感性豊かな意見を出し合い、より深い検討を行うことができました。

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  4.キーワードをみつけてみよう 1

 クライエントの言葉からカウンセリングのキーワードを見つけてみましょう。名詞や形容詞ではなく「〜けれども…」という接続詞がキーワードの場合もあります。
つまり肯定しきれず、うまく表現できない何かが心の中にある、ということを示唆しているのです。こうした気になる言葉を受け止め、「けれども?どうなんでしょう」
(促進技法)と言葉を添えれば、底にある思いを引き出すきっかけになります。
 またCl.からの「面接打ち切り宣言」には、話しても進展がない、情緒的に愁嘆場がない(感情を出すのにためらう)とCl.が感じている場合が考えられます。
常にCl.の表情を見て、感情が出しやすくなるようなやさしい雰囲気づくりをして信頼関係を深め、また面接中止した場合も、その後のCl.の発言に留意することが必要です。
何げなく口にした言葉に大事なポイントが隠されていることがあります。
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  3.カウンセラーが感じたままクライエンに伝えること 2

 カウンセラーにとって大事なことのひとつに、クライエントの気持ちが伝わってきたら、それをクライエントに伝えるということがあります。
そして、それがちゃんと伝わっているか確認することが必要です。そうなると簡単受容、おうむ返しだけではなく、感じたことを自分の言葉で的確に返す、
言い換えが大切になってきます。
 話が一段落ついたときの沈黙は、要約するのに最適な時間ですが、ここで簡潔な要約を行うことで、話が展開することもあるし、話の堂々巡りも防ぐことができます。
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 2.カウンセラーが感じたままクライエンに伝えること 1

 「クライエントが何を話したいのか、聞いてほしいのか?」に注目しましょう。参加者からいろいろな意見が出た面接でしたが、ファシリテーターからは
「カウンセリングをやっていることで“逃げ”にしたいのでは?」という見方がありました。厳しい指摘ではありますが、カウンセラーは感じたままを伝えることは重要です。
どのように感じたかをクライエントに伝えなければ、ただのおうむ返しになってしまいます。

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 1.小論文の書き方
例題
「カウンセリングにおいて、カウンセラーがクライエントに対して守らなければならない基本的な事項を三つ挙げ、
それぞれについて述べなさい(600字)」
 実際に初級試験で出題されたものです。採点基準は、作文としての形式、主張や論旨の一貫性、分かりやすい文。
解説のためのキーワードは「守秘義務」「人間性尊重」「信頼感に基づく人間関係」です
 中級産業カウンセラー試験は6割が記述式なので、普段から論文の書き方に習熟しておきたいものです。
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