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NYタイムズ「韓日関係の悪化、米外交戦略の障害に」

米国の外交、アジアに中心軸を移動
中国けん制のため日本の軍備拡張を支持…軍国主義に敏感な韓国刺激

 米日刊紙ニューヨーク・タイムズは24日、歴史問題をめぐり冷え切っている韓日関係が米国のアジア外交・安保政策で新たな頭痛の種になっている、と報じた。同紙は「このところ最悪の状況に陥っている韓日の確執は、オバマ政権の外交戦略である『アジアへの中心軸移動(Pivot to Asia)』に大きな障害となっている」と伝えた。

 その上で、同紙は韓日関係の対立が深まっている原因は大きく分けて二つあると分析した。一つは、米国は「アジアへの中心軸移動」政策を通じて中国をけん制するため日本の軍備拡張を支持しているが、そうすることで日本の軍国主義回帰に敏感な韓国を刺激したというものだ。

 もう一つは、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相という両国新指導者の個人的な経歴が韓日関係でもめる一因となっているというものだ。同紙は「安倍首相は長い間、第2次世界大戦のころの日本の歴史を肯定的に描写しようとしてきた右派。首相就任前から戦犯として逮捕された祖父の潔白を証明しようと意欲を燃やしてきた」と伝えた。朴大統領については「父親は韓国が日本に支配されていた時期に日本軍将校を務めた経歴があり、その後軍部支配者にもなった朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領。常に『日本とつながりがあった父親と距離を置け』という圧力を掛けられている」と分析した。

 同紙は「麻生太郎副総理が今年2月に朴大統領就任式のためソウルを訪れた時『靖国神社と米国のアーリントン国立墓地は本質的に差がない』と述べたが、朴大統領はこの発言に激怒した。ワシントンの政界関係者は最近の韓日関係悪化の責任を『危険な国粋主義者』とされる安倍首相のせいにするが、9月の朴大統領とチャック・ヘーゲル米国防長官の会談後は雰囲気が変わってきている」と書いている。日本に対する韓国の強硬姿勢も韓日関係の確執を招いているという意味だ。

 韓国政府は歴史に対する日本政府の広範な謝罪を要求しているが、日本政府が元慰安婦たちに対し正式補償することを安倍首相が受け入れるのは難しいだろう、と同紙は見ている。

 韓日関係の確執について、米国は困り果てている様子だ。米国家安全保障会議(NSC)のエバン・メデイロス・アジア上級部長は24日付朝日新聞のインタビューで「(韓日関係の悪化は)自分の家族がけんかをしているようなものだ。国民感情に触れる微妙な問題だが、外交で解決できる」と述べた。

 米国務省のダニエル・ラッセル次官補(東アジア・太平洋担当)は「歴史問題に端を発する韓日の緊張関係は米国の政治的負担として作用している」と述べた。

ニューヨーク=羅志弘(ナ・ジホン)特派員
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