首長に教育行政決定権 中教審答申へ11月27日 17時11分
教育委員会制度の見直しについて検討している中教審=中央教育審議会で、27日、教育行政の最終的な決定権を自治体の長に与えるとする取りまとめの案が示されました。複数の委員から「政治的中立性の点で非常に強い危機感を覚える」という批判の声があがり、反対意見も書き添えて来月、答申がまとめられる見通しです。
教育委員会制度の見直しはおととし、大津市でいじめを受けていた中学生が自殺した問題で教育委員会の対応の遅れが指摘されたことをきっかけに議論が始まりました。中教審の分科会は教育行政の最終的な意思決定の権限を、自治体の長がもつ案と教育委員会とする案の2つの案について検討を続けてきました。
27日の会議では文部科学省の担当者が取りまとめの案を示し、最終的な決定権を自治体の長に与え、教育委員会は人事や教科書採択の基準を示したり自治体の長に勧告をしたりする「審議会」に位置づけると説明しました。
これに対し複数の委員から「選挙で選ばれる自治体の長は短期間で分かりやすい変化を示そうとするが、教育には継続性が必要だ」という意見や「教育委員会に決定権がないと自治体の長が暴走したときに歯止めをかけられず、政治的中立性の点で非常に強い危機感を覚える」といった批判の声が上がりました。
文部科学省は「反対意見についても詳しく書き添えることで批判に対応したい」と話しています。
中教審は来月、答申をまとめる見通しで文部科学省は来年の通常国会に地方教育行政法の改正案を提出することにしています。
公明は“首長に教育決定権”容認せず
これについて、公明党の石井政務調査会長は記者会見で、「いじめによる自殺問題などを受けて、教育委員会制度の改革は必要だが、自治体の長を執行機関にすることで教育の政治的中立性が守られるのか大いに疑義がある。
その形で法案が作られれば、公明党としては現段階では認めがたい」と述べました。
[関連ニュース] 自動検索 |
[関連リンク] |
|