| 泥棒→メイド→??? 第一話 |
「なんで俺がこんな事をしなければならないんだ(怒)」 内心でぶちぶち言うが、実際声に出して言える訳もない愚痴をひたすらエンドレスで喋り続けた。 遠めで見ればお嬢様風のメイドが花壇に水をまいているが、そのメイドこと俺は元々は男である。 この屋敷の主に変えられて女に、メイドにされたのだ。 下男として就職して、確実に金目の物を調べ上げた上で盗む、そんな泥棒だった俺は、今回のターゲットである某屋敷に雇われる事になった。 一日目は庭のはずれで草むしりさせられて、汗だらけになっていた。 夕方執事がやってきて、仕事を上がる事を許可された時に、他の雇われている人の紹介を希望した。 執事はうっかりとした感じで、直ぐに紹介しようと話になったが、汗臭い俺にまずお風呂に入ることを勧めた。 つれてこられた場所は屋敷の地下室で、普通のはずなのになぜか閉塞感があるお風呂につれてこられた。曰く使用人用の臨時のお風呂だからだった。 汗と久しぶりの労働で疲れた俺は頭を洗い、体を洗い、そして湯船に使った。 ゆっくりと浸かると何時の間にかウトウトとしてきて、そのままねむってしまったのである。 気が付くとベットの上にいた。肌に感じるシーツの感覚から裸で寝かされていることに気づくと、お風呂でのぼせたかなと思う程度だった。 ゆっくりと起き上がると、背中に感じたシーツの感触はなくなるが、すーっと何かが背中に落ちてきた。 こそばゆいので、取ろうと手を回すと、それはサラサラの髪の毛だった。 そしてそれは俺の頭から生えていたのだ。 そして、不意に感じる胸の重さ、覗き込むとそこには男ではありえない、豊満な乳房があったのだ。 「なんじゃこりゃ〜〜〜」 大声を上げたが、その声すら俺の声とは全然違う女性の声だった。 声で気づかれたのか、執事とこの館の主が部屋に入ってきた。 「気が付いたかね?泥棒君。君はある方法で女性になってもらった。 戻して欲しければ、我々の言う事をちゃんと聞きなさい。」 「ふざけるな!!さっさと戻せ!!」 「おお、怖い怖い。嫌なら出て行ってもいいのだよ。ただし今の君には身分証明どころか国籍すらないのだよ。どうやって仕事を探す?住所を探す? 命令にさえ従っていればいつかは戻してあげるかもね。」 そうして、俺はメイドとしてこの屋敷に働くことになった・・・ 「静香さん〜掃除するから手伝って〜」 「は〜い、今行きます〜」 俺は他のメイドたちへの紹介として姓を明かせない「静香」と呼ばれることになった。 曰く、どこぞのお嬢様の花嫁修業で家事をやる事になった。 手取り足取り教えてあげてください と 俺は元に戻れるのだろうか? |
| のりお2005年03月24日(木) 07時25分23秒 公開 |
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