Updated: Tokyo  2013/11/27 18:20  |  New York  2013/11/27 04:20  |  London  2013/11/27 09:20
 

11月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロが主要通貨に対して上昇-ECB緩和先送り観測で

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが主要通貨の大半に対して上昇。ユーロ押し下げ要因となり得る追加緩和を欧州中央銀行(ECB)が近く実施することはないとの観測が広がっている。

円はドルに対し4日ぶりに上昇。日本銀行が公表した金融政策決定会合(10月31日開催)の議事要旨では、一部の審議委員が経済見通しに対するリスクを指摘したことが明らかになった。ユーロは対ドルで上昇。中国人民銀行(中央銀行)総裁が、中国の外貨準備の管理でユーロは重要な部分を占めると述べたことが手掛かり。また欧州中央銀行(ECB)の政策当局者がインフレ率は徐々に上向くとの見通しを示したことも材料視された。ブラジル・レアルは主要通貨の大半に対して値下がりした。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は、ECBは「追加緩和を向こう2、3会合見送る可能性が高い。きょうの相場ではそうした見方がユーロにプラスとなっている」と分析。「ECBが今後2、3会合で何を決定するかについて、市場では強いコンセンサスはない」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.4%高の1ユーロ=1.3572ドル。一時1.3575ドルと、20日以来の水準に上げた。対円ではほぼ変わらずの1ユーロ=137円46銭。円は対ドルで0.4%高の1ドル=101円28銭。一時0.5%高となった。

オーストラリア・ドルは円に対し0.8%安の1豪ドル=92円44銭。一時1%安の92円25銭と、10月10日以来の安値を付けた。

主要10通貨に対するドル相場を反映するブルームバーグ米ドル指数は0.2%下げて1018.83。

外貨準備とユーロ

ユーロはドルに対し、過去4日間で3回目の上昇。マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)が報じた中国人民銀の周小川総裁のコメントに反応した。

みずほ銀行の欧州ヘッジファンドセールス責任者、ニール・ジョーンズ氏は「人民銀総裁のコメントは市場に対し、世界の主要中銀がドルで保有する外貨準備の多様化を目指していることをあらためて認識させるものだ。これはユーロにとって有利に働く面もある」と分析。「ECB政策当局者がディスインフレへの懸念に疑問を投げ掛け、域内の経済成長についてより明るい予想を示せば、それもユーロの押し上げ材料だ」と続けた。

ECBのクーレ理事は米経済専門局CNBCとのインタビューで、「ECBはディスインフレが深まり悪化する可能性は低いと考えている」とし、ユーロ圏の成長回復に伴いインフレ率は上昇するというのがメーンのシナリオだと説明した。

「下振れリスク」

日銀が公表した金融政策決定会合(10月31日開催)の議事要旨によれば、同会合で採択した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の物価見通しに対し、白井さゆり審議委員が「下振れリスクを意識する必要がある」と表明。白井委員は経済情勢の上振れ・下振れ要因について「海外経済の動向と家計の雇用・所得動向等の不確実性が大きい」と指摘した。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「円はここ数週間に非常に大きく下げていた。よって若干のリリーフ・ラリーとなっている」と分析。「日銀の政策当局者の一部は、成長見通しについて若干懸念を強めている可能性がある」と続けた。

原題:Euro Gains Versus Major Peers on ECB Speculation; RealTumbles(抜粋)

◎米国株:終了間際に上げ幅縮小、資産ポートフォリオの組み替えで

26日の米国株 は取引終了間際に上げ幅を削った。投資家が資産ポートフォリオを組み替えたことが影響した。ナスダック総合指数は13年ぶりに4000を上回った。

住宅建設のレナーやパルトグループは上昇。高級宝飾品小売り2位ティファニーは利益がアナリスト予想を上回ったほか、利益予想を引き上げたことが好感された。米紳士服小売りチェーンのジョス・A・バンク・クロージャーズは11%急伸。同業のメンズ・ウェアハウスが約15億4000万ドルでの買収案を提示したことが手がかり。

一方、ビデオゲーム制作を手掛けるテイクツー・インタラクティブ・ソフトウエアは下落。投資会社アイカーン・グループから自社株1200万株すべてを買い戻した。

S&P500種株価指数は前日比1ポイント未満上げて1802.75。ダウ工業株30種平均は0.26ドル高の16072.80ドル。ナスダック総合指数は0.6%高の4017.75。これは2000年9月以来の高水準となった

BKDウェルス・アドバイザーズのジェフ・レイマン最高投資責任者(CIO)は、「米国はかなり良好な勢いに乗っている。これが相場を押し上げている。相場は今年初めに大半の投資家が予想していたよりも高い」と述べた上で、「相場の上昇は根本的な業績の伸びが支えているのではなく、株価収益率(PER)の上昇によるものだ。年末を迎えて2014年にかけて、この動向は恐らく変化するだろう。利益の伸びを注視する動きに回帰すると考えている」と続けた。

米国株は引け前30分で上げ幅を縮小した。この日の引け後から適用となるMSCIの構成銘柄入れ替えに合わせて投資家が米国株を売ったことが影響した。

米住宅統計

9月の全米20都市の住宅価格は前年比で2006年2月以来で最大の上昇だった。借り入れコストの上昇にもかかわらず、住宅市場が持ち応えていることが示された。また、10月の米住宅着工許可件数は5年ぶり高水準となった。

一方、11月の米消費者信頼感指数は前月から低下し、7カ月ぶりの低水準となった。労働市場の先行きについて悲観が強まった。

エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケイト・ウォーン氏は、「トレンドは明るい方に向かっている」と述べ、「良好な統計が発表されている。これは明るいニュースだが、金融当局が早期に緩和策縮小に動くかどうかの点から見ると、それほど明るくはない。経済統計は景気にある程度の勢いがあることを引き続き示している」と続けた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)はこの日0.2 %上昇して12.81。

住宅株やティファニーが高い

S&P500種産業別10指数のうち3指数が上昇。テクノロジー株や選択的消費株が上昇した。

S&Pの住宅建設株で構成される株価指数は4.1%上昇。構成する11銘柄はいずれも上昇した。レナーは5.1%高、パルトグループは4.4%値上がりした。

ティファニーは8.7%高。8-10月(第3四半期)決算では、利益がアナリスト予想を上回った。同社は通期の利益見通しを引き上げた。米株式相場の上昇を背景に、富裕層による高級製品の購入意欲が高まったことが寄与した。

一方、テイクツーは5.4%安。発表資料によると、同社は25日の終値である1株16.93ドルで買い戻す。アイカーン・グループはテイクツーの最大株主だった。

原題:U.S. Stocks Pare Gains Amid Rebalancing to Offset HousingGains(抜粋)

◎米国債:続伸、5年債落札利回り予想下回る-低金利の長期化観測で

米国債 相場は4日続伸。5年債入札(発行額350億ドル)では需要が予想より強かった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が短期金利を低い水準で維持するとの見方が背景にある。

5年債入札の最高落札利回りは1.340%。入札直前の市場予想は1.347%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率 は2.61倍と、過去10回の平均2.67倍を下回った。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「米国債は低金利長期化の見通しから最も恩恵を受けている資産の一つだ。景気は脱出速度に達しておらず、しばらくそうならないだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、既発5年債(償還2015年10月)の利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.31%。10年債利回り は2bp低下の2.71%。利回り低下は4営業日連続。

債券購入規模の縮小は金融引き締めではないと金融当局は強調している。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、債券購入プログラムが終了した後も政策金利は低位で維持されるとの見通しを示した。

政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標は5年近くゼロから0.25%のレンジで維持されている。

グロース氏

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース氏は「不確実性の世界でPIMCOが最も確信しているのは、25bpの政策金利が2015年12月15日まで続くことだ。それに基づいて利益を上げることは可能だ」とツイッターに投稿した。

この日の5年債入札で、海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める割合は50%。過去10回の平均は45.3%となっている。プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の比率は10.8%だった。過去10回の平均は13.4%。

ブルームバーグがまとめた米財務省のデータによると、年初からの中長期債の入札(発行総額1兆9350億ドル)の応札倍率は2.87倍。昨年(同2兆1530億ドル)は3.15倍と過去最高だった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、5年債のリターンは年初からマイナス1%。米国債全体ではマイナス2.4%。2012年は5年債がプラス2.3%、米国債全体はプラス2.2%だった。

今週の入札での発行総額は960億ドル。27日には7年債入札(発行額290億ドル)が実施される。

住宅価格指数

米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は9月に前年同月比で13.3%上昇(前月は12.8%上昇)した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は13%上昇だった。

グッゲンハイム・セキュリティーズの米政府債トレーディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「売りを誘うにはもっと強いデータが必要だ。相場を動かすには、予想をわずかに上回る指標よりも強いものが必要になるだろう」と話した。

ブルームバーグが金融機関を対象に実施した調査によると、10年債利回りは来年年央までに3.05%に上昇すると予想されている。

FTNファイナンシャル(テネシー州メンフィス)の機関債調査責任者、ジム・ボーゲル氏は「今は緩和縮小よりもフォワードガイダンスの方が勝っている」と述べた。    

原題:Treasuries Rise as Five-Year Auction Yield Lower ThanForecast(抜粋)

◎NY金:下落、米住宅着工許可件数の増加を受け緩和縮小を警戒

ニューヨーク金相場は下落。米経済が強さを増しつつある兆しを背景に金融当局が緩和縮小に踏み切るとの観測が強まり、直物相場は3営業日ぶりに下げた。10月の米住宅着工許可件数は前月比6.2%増の103万件と、2008年6月以降で最高だった。

エバーバンク・ウェルス・マネジメントのシニアマーケットストラテジスト、クリス・ギャフニー氏(セントルイス在勤)は電話インタビューで「米指標で景気が改善している可能性が示唆されているため、価格は引き続き圧迫されている」と指摘。「金に強気になれる理由は現在のところほとんど見当たらない」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時24分現在、金直物相場は前日比0.8%安の1オンス=1241.58ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2月限は0.1%未満下げて1241.50ドルで終了した。

原題:Gold Declines as U.S. Building Data Boosts TaperingConcern(抜粋)

◎NY原油:3日続落、週間統計を控え在庫増観測が強まる

ニューヨーク原油先物相場は3日続落。27日の米エネルギー情報局(EIA)週間統計を控え、米在庫が週間ベースで10週連続で増加するとの観測が強まった。

IAFアドバイザーズ(ヒューストン)の商品調査ディレクター、カイル・クーパー氏は「原油在庫は非常に高い水準にある」と指摘。「米国での生産は次々と記録を更新している。イランとの合意で市場への原油供給が増えるとの観測も、売り圧力を強めている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前日比41セント(0.44%)安の1バレル=93.68ドルで終了。年初来では2%の値上がり。

原題:WTI Oil Falls on Forecast Supply Gain as Discount to BrentGrows(抜粋)

◎欧州株:3日ぶり下落、大幅減益見通しでレミー・コアントローに売り

26日の欧州株式 相場は反落。指標のストックス欧州600指数は3営業日ぶりに下げた。フランスのレミー・コアントローを中心に食品・飲料銘柄が下げた。

酒造メーカーのレミー・コアントローは2009年1月以降で最もきつい値下がり。通期が少なくとも10%減益との見通しが売り材料。一方、スペインの石油会社レプソルは1年1カ月ぶりの大幅上昇。ノルウェーの製薬会社アルジェタは2年余りで最大の上げとなった。同社の買収を目指すドイツのバイエルと協議に入ったことが手掛かり。

ストックス欧州600指数 は前日比0.6%安の322.24で終了。年初来では15%上げている。

クレアインベスト(ジュネーブ)の共同創業者、イオンマーク・バラフ氏は電子メールで、「飲料セクターで発表された決算への失望で、小幅な相場調整が進んでいる」とし、「これまでのところ、短期的な下落にとどまりそうだ」と語った。

この日の西欧市場では、スペインとアイスランドを除く16カ国で主要株価指数が下落。英FTSE100指数は0.9%、仏CAC40指数は0.6%それぞれ下げ、独DAX指数は0.1%安となった。

原題:European Stocks Drop as Remy Cointreau Forecasts FallingProfit(抜粋)

◎欧州債:イタリア債上昇、入札で借り入れコスト低下-英独債も上昇

26日の欧州債市場ではイタリア国債が上昇し、2年物利回りは約3週間ぶりの大幅低下となった。この日実施された入札では借り入れコストが下がった。同国上院では27日、ベルルスコーニ元首相の議員資格剥奪の是非をめぐり採決が実施される。

ポルトガルとスペインの国債も上昇。欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は中銀預金金利の引き下げについて、「可能性はある」との見方を示した。ドイツ国債も買われた。29日発表の11月のユーロ圏インフレ率は4年ぶり低水準付近にとどまるとエコノミストらは予想し、これが国債需要を支えている。イタリア財務省は先週、2015年と17年に満期を迎える計34億ユーロの既発債を買い戻した。

サンライズ・ブローカーズの債券調査担当エグゼクティブディレクター、ジャンルカ・ ジグリオ氏(ロンドン在勤)は「イタリアがこの日実施した国債入札は需要面でかなり順調だった」とし、「特に2015年償還債が政府の買い戻し対象になるということが、短期債の利回りを抑えている」と語った。

ロンドン時間午後4時30分現在、イタリア2年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.13%と、7日以来の大幅低下となった。一時は1.12%まで下げ、5月3日以来の低水準を付けた。同国債(表面利率3%、2015年11月償還)価格は0.13上げ103.545。10年物利回り は2bp下げて4.07%。

ベルルスコーニ元首相は8月に脱税での有罪が確定し、上院委員会が議員資格剥奪を勧告。これに向けた手続きを元首相の支持者はストップさせようと試みたが、レッタ首相率いる民主党が最大野党と組みベルルスコーニ氏追放に向け動いており、上院本会議で採決が行われる。

ドイツ10年債利回りは前日比3bp下げ1.69%。先月31日には1.65%と、8月8日以来の低さ となっていた。

英国債相場は3営業日続伸。イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は英景気回復の勢いが増しつつある兆候が出ているものの、利上げを急がない方針をあらためて示した。

ロンドン時間午後4時43分現在、英10年債利回りは4bp低下の2.73%。前日までの2営業日で5bp下げていた。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日0.37上げて95.94。

原題:Italian Bonds Gain After Auction as Berlusconi Preparesfor Vote(抜粋)U.K. Gilts Advance as Carney Signals Interest Rates to Stay Low(抜粋)

更新日時: 2013/11/27 08:02 JST

 
 
 
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